ごえんぼう

2024年05月29日 (水曜日)

 パリで開かれる服地見本市「プルミエール・ヴィジョン」(PV)は以前、厳格な出展審査が設けられ、「出たくても出られない」見本市の代表格だった▼何度も審査に落ち、苦渋をなめ続けた日本企業を多く知っているし、何度めかの挑戦でようやく審査に受かり歓喜した日本企業も枚挙にいとまがない▼そんなPVも時代とともに変遷、審査は明らかに緩いものになり、「落ちた」という声も聞かなくなった。依然として世界に冠たる服地見本市としてトレンド発信を続けているが、その影響力はやや薄れたとの指摘も上がる▼7月のPVパリへの日本からの出展は27社で前回展比14減。ある日本企業によるとその理由は、パリ五輪と会期が近く、いつも通りの集客が見込めないからとのこと。何度も現地取材した思い入れのある見本市。この一過性の理由が各社共通のものであってほしいと願いつつ、「やめた理由」の取材を続けてみる。