特集 AFF・東京24夏/高品質、小ロット対応のセレクションエリア初設置/6月5~7日東京ビッグサイトで
2024年05月28日 (火曜日)
日本最大級の繊維・ファッションOEM/ODM展示会「AFF・東京2024SUMMER」が6月5~7日、東京ビッグサイトで開かれる。中国や東南アジアの437社が出展。主な商品別出展社数は、アパレル283社、アクセサリー64社、素材・副資材75社、ホームテキスタイル15社。高品質、小ロット生産に対応する企業を厳選した「AFFセレクション」エリアを初めて設ける。今回展の注目企業を紹介する。
〈寧波三舟服装/ODMとASEAN生産〉
2023年に設立されたアパレルメーカー。前身は南通三舟服装(02年設立)。自社工場は、国内3工場、海外4工場(カンボジア3工場、ミャンマー1工場)の計7工場ある。編み物製から織物製、薄物、厚物までオールマイティーに対応。月産能力は160万枚だ。約160人のデザインチームを持ち、ODMを展開する。
23年売上高は6億㌦弱。売り上げの90%が欧米向けだ。日本向けは10%にとどまっている。今後はODMとASEAN生産拠点の強みを生かし、日本市場の深耕を図る。
今回展では、自社で企画・デザインした25春夏の新作を出展する。3Dデジタル技術を使った展示も行う。
〈大連安歌爾服装服飾/女性用の機能性下着〉
2001年に設立された女性用下着メーカー。遼寧省大連市にある自社工場の月産能力は、約5万枚だ。日本向けに特化し、生産と貿易を一気通貫で展開している。
近年は、新型コロナウイルス禍や急速な円安などで受注は芳しくない。そのため、日本のネット通販プラットフォームの活用などを通じ、挽回を図っていく考え。
5回目となる今回展では、シェイプアップ着圧インナー、シェイプアップウエストニッパー、ブラジャー、ショーツなどを出展し、製品の機能性や快適な着心地をアピールする。
吸水速乾や抗菌消臭、吸湿排汗などの機能性を持つ生地使いについても訴求する。
〈南通新超国際貿易/差別化生地使いのダウンウエア〉
2004年に設立された織物製衣類メーカー。日本向けに特化する。国内の自社工場と協力工場では、キルティングコートやダウンジャケットなどを含め、あらゆる織物製衣類の生産に対応。カンボジアの協力工場では薄物を中心に生産している。強みは、素材と製品企画の提案力が高いことと自負する。
東京都千駄ヶ谷に日本支社を置き、顧客と密にコミュニケーションを図っている。
競合との差別化のため、人工知能(AI)技術を生かした生産効率化に取り組もうとしている。
初出展の今回は、差別化した生地使いや、自社企画のダウンジャケットや中わたジャケットなどを打ち出す。
〈杭州商大服飾/シームレスニットを短納期で〉
1995年に設立されたセーターの製造販売会社。全て自社工場で生産している。工場はカンボジア1工場、中国浙江省3工場の計4工場ある。年間生産能力は計1500万着だ。
シームレス横編み機500台を導入し、コストパフォーマンスに優れたシームレスニット製品を迅速に提供している。
売り上げ全体の90%が欧米、7%中国国内、3%が日本だ。日本向けの開拓を今後強化し、3年以内に売り上げ構成比を10%にすることを目指している。
今回展では、短納期に対応し、価格競争力にも優れたシームレスニット製品をメインに紹介する。
〈桐郷市海闊皮件服装/リバーコートやワンピース〉
2003年設立のアパレルメーカー。生産アイテムはリバーコート、レザージャケット、ダウンジャケット、ワンピース、トレンチコート、スカート、パンツなど、春夏物から秋冬物まで幅広い。
輸出がメイン。主な仕向け地は日本、カナダ、豪州。うち日本が約8割を占める。直近3年間は、毎年売り上げを伸ばしている。
今回展では、リバーコート、ワンピース、シャツの三つを打ち出していく。リバーコートは、コストパフォーマンスの高いウール100%素材と、高級感あるカシミア混素材使いを訴求。ワンピースとシャツは、肌触りがよく、日本で人気のリネン・コットン、アセテート素材を使用した製品をアピールする。
〈無錫瑞昇紡織服飾/機能性メンズポロシャツ〉
2009年設立の編み物製衣類メーカー。メンズのポロシャツ、コート、カジュアルウエアを生産する。年産能力はポロシャツ40万着、コートとカジュアル25万着。
輸出向けを手掛けており、輸出額全体の6割を欧米、4割を日本向けが占める。対日年間売上高は、300万㌦前後だ。
ここ数年業績全体は安定成長しているものの、日本向けはやや振るわない。そのため、今回展に初出展し、販路を拡大したい考えだ。
今回は編み物製のメンズのポロシャツ、シャツ、コートと、吸湿速乾やUVカットなどの機能性を持つ各種編み物をアピールする。ポロシャツは、ピマコットンやシルク混使いを打ち出す。
〈南通誠宝商業貿易/日本向けキッズウエア〉
2013年に設立されたキッズウエアのメーカー。日本向けに特化する。織物製と編み物製の双方に対応。年産能力は200万着だ。プリントや刺しゅう、特殊加工を施した製品を得意としている。
近年の業績は安定しているものの、少子高齢化や急激な円安が徐々に重荷になってきている。そのため、新たな顧客の開拓を加速し、さらなる成長を目指す。日本での展示会出展などを通じ、新規顧客を開拓する構えだ。
初出展の今回は、衣料品チェーン店向けの大ロットの低価格品と、百貨店アパレル向けの高品質な製品の双方をアピールする。
〈杭州卓瑞進出口/最新トレンドを反映したデザイン〉
2017年創業。アパレルを国内外で製造販売する。生産アイテムは、コート、わた入れジャケット、ダウンウエア、パーカ、スーツ、ズボンなど。中国浙江省にある自社工場の月産能力は5万着、ミャンマーの出資工場は15万着、カンボジアの出資工場は20万着。今年はベトナム生産にも乗り出す。
輸出を手掛けている。主な仕向け地は英国、ドイツ、スペイン、デンマーク、米国など。日本向けは今回展を機に開拓を始める。
初出展の今回は、コート、スーツ、ズボン、スカートを打ち出す。サステイナブルな生地を使っていることや、最新トレンドを反映したデザインをアピールする。
〈河北晟科紡織品/綿糸一貫の織物〉
2015年に河北省石家庄で創業した織物の製造販売会社。自社工場のアイテム別年産規模は綿糸1万2千㌧、生機2400万メートル。リサイクル素材や機能性素材を使った服地と、ホームテキスタイル向けの織物を紡績一貫で生産する。輸出と中国内販の双方を展開し、売り上げ比率は半々。輸出先は欧米と中東諸国が中心。
ここ数年の業績は好調に推移しており、日本向けも拡大している。今後は日本市場の開拓に重点を置く。日本市場のニーズに合致した生地を開発し、開拓を加速していく構えだ。
初出展の今回は、環境配慮型素材を打ち出す。端材などを採用した再生素材を使ったもので、通気性が高く、吸湿、発汗などの機能も持つ。
〈東莞市煜豊服飾/アパレル装飾用のひも〉
2021年に創業したアパレル、バッグ、靴などを装飾するひものメーカー。ひもの生産と、ビーズなどを用いたひもの加工を行っている。輸出がメイン。主な仕向け地は米国、欧州、中東で、輸出高の構成比は各40%、40%、20%だ。
日本市場の開拓をこのほど始めた。1~3年の間、開拓を続け、一定の成果に結び付けたい考えだ。中長期的には、日本向けの売り上げ比率を10~20%にすることをもくろんでいる。
まずは日本市場のニーズにマッチした製品を見つけ、その製品の開発を強化していく。その取っ掛かりとして、今回展に初出展する。
〈南昌新イ業服装/エコな絞り染めTシャツ〉
創業10年強の編み物製衣類の製造販売会社。江西省南昌にある自社工場の年産能力は360万着。生産アイテムは、Tシャツ、ポロシャツ、トレーナー、スエットパンツ、キッズウエアだ。
売上高の8割が輸出。日本向けがメインで、輸出額の75%を占める。その他の輸出先は、欧米と中東だ。
23年売上高は約800万ドルで、うち日本向けが約560万ドルだった。今後数年間、日本市場の開拓に力を入れ、直販比率を9割以上に高める計画を持つ。
2回目の今回展では、環境に優しく、ファッション性が高い絞り染めのTシャツを打ち出す。
〈青島誉満洲進出口/ニット小物メーカー〉
2005年に設立されたニット小物のメーカー。主な生産アイテムは毛糸を使った帽子、手袋、マフラー。自社工場の生産能力は年間200万枚だ。
日本向けは、手袋とセーターが好調に推移している。全て商社を通じて受注している。
現在の課題は、受注規模が自社工場の生産能力に見合わず、稼働率が伸び悩んでいること。そのため、これから毎年日本の展示会に出展し、独自企画の自社生産品をアピールしていく。
その取っ掛かりとなる今回展では、韓国や香港の顧客から好評を得ている帽子と手袋、マフラーの3アイテムを訴求する。
〈青島銘泰制衣/高品質デニム製品〉
2000年創業のアパレル製造販売会社。自社工場の月産能力は10万枚。織物製レディース、メンズ、キッズウエア、デニムウエア、カジュアルウエア、編み物製衣類まで幅広く生産している。特にデニム製品の生産が得意だ。
日本向けが売り上げの大部分を占める。商社経由と直貿の双方を手掛けている。
今年は業績が芳しくない。急速な円安と、それを背景とした同業者間の激しい価格競争が重荷になっている。ただし日本向けは20年来の主要事業のため、今後も注力していく。
今回展に初出展し、挽回を図っていく。高品質で機能性を持つデニム製品を中心にアピールする。
〈無錫谷徳維斯紡織品/吸水速乾など機能性パンツ〉
2005年創業のアパレル製造販売会社。中国国内2工場、海外(カンボジア)3工場の計5工場を持つ。国内の年産規模は135万着で、主に織物製パンツを生産。カンボジアは1千万着で、織物製パンツ、シャツ、編み物製シャツを生産する。
製品を世界各国に輸出している。輸出額の仕向け地別比率は、欧米45%、日本35%、中国国内ほか20%。ここ数年、日本向けを着実に伸ばしている。
初出展の今回は、得意のパンツを訴求する。「クールマックス」を使った吸水速乾のストレッチチノパンや、吸水速乾、UVカットのクライミングパンツなどを出展する。
〈東莞市優盛体育用品/ヒータージャケットなど得意〉
2015年に設立された繊維品メーカー。生産アイテムはジャケット、靴下、手袋、毛布、ヒータージャケットなど。工場の建物面積は千平方メートルで、従業員は80人超だ。
輸出を手掛けている。主な仕向け地は欧米、日本、東南アジア。輸出額の仕向け地別構成比は米国50%、欧州25%、日本13%、その他12%。23年売上高は6千万元で、うち日本向けが800万元となった。日本向けは前年に比べて3割増加した。
2回目の出展となる今回は、ヒータージャケットなど、ヒーター搭載の製品を前面に打ち出す。いずれも温度調整が可能であることを訴求する。