クラボウ・ユニフォーム 安全衛生の高まり捉える

2024年05月27日 (月曜日)

 クラボウのユニフォーム部は今期(2025年3月期)、国内外での安全衛生への意識の高まりを捉え、「ブレバノ」「プロバン」の難燃素材、アシストスーツ「CBW」、体調管理システム「スマートフィット・フォー・ワーク」を軸に販路を広げる。

ユニフォームメーカーの在庫調整を受け、厳しい環境にあるものの、高付加価値品へとシフトしながら海外販路開拓にも力を入れる。

 前期(24年3月期)は、第3四半期までカタログ向け新商品への採用や大型別注などで計画通り推移していた。第4四半期に入り、ユニフォームメーカーの在庫調整によって「受注に急ブレーキがかかり、円安とそれに輪をかけたような薬品・染料代のコストアップの影響を受けた」(絹本良和ユニフォーム部長)ことで厳しい決算となった。

 今期は4月受注分からユニフォーム地の第4次価格改定を実施している影響とともに、企業のユニフォーム支給が経費削減のため「今まで5枚だったものが、4枚になるケースが増えている」ことによる数量減を警戒。秋口には在庫調整から回復するとみているが、「楽観的にはみれない」として、販売で安全衛生へのニーズ対応した高付加価値品の比重を高める。

 難燃では素材難燃のブレバノ、後加工難燃のプロバンを拡販。ブレバノの販売量は大幅に増えており、今期も「既に大口の案件を中心に受注があり、計画達成が見えてきた」。ISO(国際標準化機構)やNFPA(全米防火協会)基準に対応した素材の需要も高まりつつあり、ニーズを捉えた開発も進める。

 昨年から生産、販売を本格化したプロバンは「生産性や品質も安定してきた」。綿100%だけでなく、ポリエステル混やナイロン混も開発。50回洗濯可能という高い洗濯耐久性に対する認識も広がっていると言う。

 2月にベトナム「VIATT」、インドネシア「INATEX」の展示会に相次いで出展し「数件と交渉を進めている」。6月にはタイ・バンコクの「SAFE@WORK」にも出展し、アジアでも高まる安全衛生の需要を捉える。

 CBW、スマートフィットは販売が急増。特にスマートフィットは従業員が数千人規模の大手企業でも採用されるようになり、販売量が「数倍に増えている」。ウエアラブル市場では使い切りタイプが多く出回っているが、作業者本人のみに通知され、管理者には通知されないなど、企業の安全管理体制に問題が出るケースが増えている。スマートフィットでは安全性が高く、転倒検知機能などもあり、付加機能を充実させながら販路拡大につなげる。