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中国江蘇省輸出商品展示会/「コロナ禍前まで商量戻す」/23日までマイドームおおさかで

2024年05月22日 (水曜日)

 「中国江蘇省輸出商品展示会」が21日、マイドームおおさか(大阪市中央区)で開幕した。今回で25回目。江蘇省商務庁が主催し、日中経済貿易センターなどが共催する。200強のブースにアパレル、ホームファブリック、靴、帽子、アウトドア用品、ペット用品などが集い、各出展者が「新型コロナウイルス禍前まで商量を戻したい」と意気込む。23日まで。

 カンチソウ高依紡織品は、同展含め日本で開かれる中国企業による展示会に出展するのは今回が初めて。2012年にそれまでの対日貿易経験を基に創業し、上海と江蘇省淮安市に自社縫製工場を持つ。上海の人件費上昇などを背景に近年メインに稼働する淮安市の工場では月に約5万枚のカットソー製品を縫製し、ジャケットなどの織物製品も一部手掛ける。

 99%が対日。コロナ禍や太客だった日本の大手アパレルの倒産などで一時は業績も落ち込んだが、昨年から回復してきた。中高級品を扱うアパレルが主要顧客で、今回展でも一部生地の備蓄による追加生産への迅速な対応力や品質力を強みに新規顧客開拓を狙う。

 江蘇匯鴻国際集団同泰貿易は同展への複数回の出展で顧客を開拓してきた。自社工場は持たないが、中国に約20軒の協力工場を配すほか、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、バングラデシュなどに協力工場を広げている。主力はスポーツ・アウトドア関連。

 グループ企業では欧米や国内向けを展開するが、同社は対日に特化。コロナ禍で落ち込んだ受注数量をコロナ禍前まで戻すために出展した。東南・南アジアで大ロット・価格対応商品をこなし、中国では小口や短納期対応に特化していく方向性と言う。ストレッチや撥水(はっすい)といった高機能素材使いの提案にも力を入れる。

 初出展の泰州本原麻業紡織はリネン生地やヘンプ生地を自社工場で生産する。対日貿易経験はないが、高品質の麻生地を、カーテンやクッション向けに提案し、日本市場開拓を狙う。