繊維ニュース

児島繊維産未来ビジョン委/地元大学と就職説明会/人手不足解決へ

2024年05月21日 (火曜日)

 児島商工会議所(岡山県倉敷市)の児島繊維産業未来ビジョン委員会は17日、児島地域内にある倉敷市立短期大学(同)の服飾美術学科と連携し、「くらたん合同就職説明会」を初開催した。繊維関連事業者と学生とのマッチングを促すことで、繊維関連企業の人手不足解決につなげる。

 繊維関連企業の働き手の確保が課題となる中で昨年、同大学と児島商工会議所会員企業、倉敷市児島産業振興センター内にある、起業家の創業期を支援する「デザイナーズインキュベーション」関係者を交えた意見交換会を開催。同大学の地場企業とのつながりや就職が少なかったことが課題として挙がった。「地元の会社のことを知ってもらうとともに、就労をしっかりと促す機会があった方が良いのでは」との意見があったことから、今回の就職説明会を開くことにした。

 就職説明会には、学生服、ワークウエア、デニムなど繊維関連を中心に13事業者がブースを構え、学生約50人が参加した。学生らは事前に説明を聞きたい企業を選び、企業担当者から会社概要や就職後の仕事の内容などについて聞いた。

 明石スクールユニフォームカンパニーは「児島に本社を構えることから、地元にルーツがある人を採用するのは当社の役割」(同社担当者)とした。同大学からのインターンシップを受け入れているという、ワークウエア製造卸の大川被服(倉敷市)は合同の就職説明会へは初参加。大川克昌社長は「次へつなげることができそう」と話した。

 児島繊維産業未来ビジョン委員会の髙田尚志委員長(児島商工会議所副会頭、髙田織物社長)は「単なる企業説明会ではなく、就職を想定した説明会とした」と話し、「今後も毎年やっていきたい」と意欲を示した。同大学は2027年度に児島中心部への移転を計画する。安達励人学長は「学生は企業のことを、企業には当校のことを知ってもらい、ますます地域の役に立つことができれば」と語った。

 同委員会は昨年立ち上がった。「児島の繊維産業を持続可能な成長産業へ」をテーマに、ジャパンクオリティーの繊維製品を持続的に供給するための仕組み環境整備や若者の就労支援などに焦点を当て、事業を行っている。