シキボウ・ユニフォーム事業/SDGs、ストレッチで拡販/台湾など海外素材も強化

2024年05月17日 (金曜日)

 シキボウのユニフォーム事業は今期(2025年3月期)、SDGs(持続可能な開発目標)やストレッチを切り口に生地の拡販を進める。前期からの値上げで受注量の減少が懸念されるが、台湾などの海外素材も充実させながら増収を目指す。

 前期のユニフォーム地の販売はワーキングが苦戦したが、制電対応の綿・ポリエステルのツイルを中心に白衣向けが伸び、微減収にとどめた。下半期に価格改定が進んだことで売上総利益が改善した。

 今期はSDGsとストレッチ素材を軸に販路を拡大。SDGsでは国際フェアトレードラベル機構が認証したフェアトレードコットンを8%以上混綿した糸「コットン∞」(コットンエイト)使いの生地がワーキングに採用され始めている。SDGsに対する教育が活発になる学販へも提案する。

 生分解性ポリエステル「ビオグランデ」といった環境配慮型の原料使いにも「関心を示す企業が増えている」。グループの新内外綿と連携するアップサイクルシステム「彩生」ではベトナムなど周辺の縫製工場から端材を集め、タイで反毛する試験的な取り組みも始めた。

 4月に本社や東京で開いた展示商談会では、校倉(あぜくら)造り構造織組織高通気生地「アゼック」や特殊技術のストレッチ加工生地「パワール」といった差別化素材をベースとしたストレッチを中心に多数の試作品を投入。今回展示した約40品番のうち、半分以上がストレッチで、SDGsを組み合わせた素材開発も進める。

 台湾の長繊維合繊糸を使ったトリコットやウール調ポリエステル生地などの拡販にも注力。エンボス加工で生地表面に変化を付ける、転写プリントを施すといった差別化を図るとともに、ニット製品課と連携しながら、製品OEMも提案できる。

 展示商談会は4月23~25日に初めて染色加工子会社のシキボウ江南(愛知県江南市)でも開いた。工場見学の希望者も多く、新たな生地提案も含めて「好評だった」。同商談会は今日17日まで岡山商工会議所(岡山市)でも開いているほか、21~23日に広島県福山市の福山商工会議所でも開催を予定する。