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第25回中国江蘇省輸出商品展示会21~23日、マイドームおおさかで開催

2024年05月15日 (水曜日)

 「第25回中国江蘇省輸出商品展示会」が21~23日、マイドームおおさか(大阪市中央区)で開かれる。江蘇省商務庁が主催、日中経済貿易センターなどが共催する。209ブースに日用品やギフト、ホームファブリック、アパレル、靴、帽子、アウトドア用品、ペット用品などがそろう。

 同展は1995年に大阪で初開催。新型コロナウイルス禍の2020~22年は開催せず、コロナ禍が落ち着いた昨年は8月に開かれた。今年はコロナ禍以前の5月開催に戻った。

 江蘇省は23年のGDPが約1・8兆ドルで中国国内2位、全国GDPの約10%を占める。輸出入総額は7461億ドルで全国の12・6%を占め21年連続で国内第2位を維持している。

 23年の対日貿易総額は556・5億ドル、うち輸出額が294億ドル、輸入額が262・5億ドル。中でもホームファブリックやアパレル、アウトドア用品、靴、帽子、ギフトなどで日本市場向けの重要なサプライヤーとなっている。今回展の注目出展企業を紹介する。

〈江蘇浩海紡織/編み物製品輸出に特化〉

 18年設立で、帽子や手袋、スカーフ、マフラーなど編み物製品のメーカー。小ロット対応や日本語によるサービス、貿易業務も自社で一貫提供することが強み。輸出に特化しており、米国、欧州、豪州向けが多い。

 日本向けは近年、市場開拓を加速しており、売り上げ規模を毎年伸ばしている。日本の業界での知名度が低いことが課題であるため、日本で開かれる展示会への出展やオンライン広告を通じたプロモーションを今後強化する。日本への出張も増やし、顧客やパートナー企業とのコミュニケーションを密に図っていく。

 初出展の今回は、編み物製の帽子、スカーフ、手袋の主力製品を打ち出す。商社との商談を期待している。

〈蘇州匯海衛生用品/静電気ホコリ取りを紹介〉

 21年に設立された清掃用品メーカー。年産規模は7300万個。輸出を手掛けており、日本、米国、欧州、韓国向けが多い。生産設備は自社開発した全自動設備だ。自社の特許技術を使って生産している。

 日本向けをここ数年、着実に伸ばしており、既存顧客から製品への評価は高いと言う。最終顧客への直販と、商社経由の販売の双方を手掛けている。各製品は日本で特許を申請済みだ。日本市場のニーズにマッチした商品を今後増やし、開拓を加速していく。

 初出展の今回は、摩擦によって発生する静電気を利用し、細かいホコリをしっかり吸着する静電気ホコリ取りと、同じく静電気を利用したフローリングワイパーも訴求する。

〈江蘇舒米工具/剣山など生け花用具提案〉

 14年に設立された小物メーカーで、各種金物工具や園芸工具、キャンドル関連製品などを製造・販売している。

 自社開発の特許技術を持ち、品質マネジメントシステムのISO9001などの認証を取得。欧米大手メーカーとの取引実績が豊富だ。主な輸出先は、米国、スウェーデン、豪州。

 日本向けは、園芸工具が中心で、大手スーパーがメイン顧客だ。今年から日本市場の開拓を加速する。日本の展示会への出展や日本専門営業チームの設立などを通じ、日本向け売上高を大幅に伸ばす構えだ。

 初出展の今回は、生け花用の剣山やハサミ、のこぎりなどの園芸工具をメインに出展する。中でも生け花用具の訴求に力を入れる。

〈無錫市奥星針織/抗菌性能を持つ便座カバーなどPR〉

 15年設立で繊維を使った小物を生産する。便座カバーやスリッパなどを扱う。高品質な製品と、厳格な納期管理、高い価格競争力が強み。日本への輸出がメインで、売り上げ全体の85%を占める。

 日本向けは、商社経由で手掛けている。近年は、新型コロナウイルス禍や市況の低迷、急激な円安などの影響を受け、厳しい。今年から展示会出展などを通じ、回復を図っていく。

 17回目の出展となる今回は、アクリルやポリエステル使いの抗菌機能を持つ便座カバーをメインに打ち出す。スポーツ用のヘッドバンドやリストバンド、保温機能があるパイル素材を使った腹巻、ショーツなども出展する。

〈南京天利和進出口/優れたラバーシューズ訴求〉

 94年に設立された履物メーカーでゴムとPVC(ポリ塩化ビニル)、EVA(エチレン酢酸ビニル)を使ったレインブーツや運動靴、安全靴などを生産する。

 中でも生産難度の高いバルカナイズ製法のラバーシューズが得意。独自技術で通常よりも軽く、耐酸性や耐寒性などに優れた製品を製造できる。履物の日産能力は1万足を超える。

 国内外で販売しており、輸出は日本、欧州が中心。国内は複数の自社ブランドをネット通販で扱う。日本では自社ブランド「Jolly Walk(ジョリーウオーク)」を大手スーパーなどに卸している。

 今回展では、滑りにくく、安全性と防寒性に優れたラバーシューズを出展。ファッション性も追求し、多様なシーンで活躍することを訴求する。

〈江蘇開来軽工進出口/日本向けメインに防水靴〉

 01年設立で防水靴やグローブ、フィッシングウエアなどを製造販売する。高い開発力と豊富な商品ラインアップを持つ。

 売り先は輸出に特化しており、輸出額の仕向け地別構成比は日本70%、欧州10%、北米10%、豪州10%。直販と商社経由の双方で手掛ける日本向けは近年、やや落ち込んでいる。そのため、日本向けに新製品を積極的に開発し、回復を図っていく。

 同展の常連出展者で、今回展では、各種防水靴やブーツ、防水靴下、グローブ、作業靴などをアピールする。

〈丹陽市縦横天地戸外用品/寝袋などで新規顧客開拓〉

 11年に設立されたアウトドア用品メーカー。寝袋やキャンプマット、インナーシュラフ、キャンプ用枕などを生産している。工場は、大型テンプレートマシン8台や整綿機2台、キルティング機6台などを導入。寝袋を1カ月に2万個以上生産できる。

 販売先は輸出がメインだ。主な仕向け地は、英国、米国、豪州、ニュージーランド、フランスなど。日本向けは直貿で展開している。

 世界的にアウトドアブームが終わり、市場自体は低迷しているものの、同社の受注は安定していると言う。今後は既存顧客との取り組みを維持しながら、新規顧客の開拓を進めていく。

 初出展の今回は、ハイエンドのダウンシュラフをメインに訴求する。ナイロン地を使い、中わたは保温性に優れたホワイトダックダウンを使っており、極寒に耐えることをアピールする。

〈江蘇蝸牛智行科技/太陽光発電のモビリティー〉

 太陽光発電を使ったモビリティー「太陽エネルギー動力車シリーズ」のメーカーで22年設立。走行時の二酸化炭素排出量がゼロのエコな乗り物である同製品の国内外での普及を目指している。

 同製品は、太陽光で発電した電力を利用して走行する。自社開発の太陽光充電システムにより、車体で電力の“自給自足”を実現。車体を太陽光の下に置くだけで効率良く、簡単に充電できる。

 同社は、同製品の中国内販と輸出を手掛けている。輸出の仕向け地は米国、スペイン、フランス、イタリア、韓国など世界30カ国以上。

 今回の出展を機に、日本市場に進出する。二酸化炭素排出ゼロの移動ツールとして将来大きく成長する可能性があることを訴求する。OEM/ODMや直販、パートナー企業を通じた販売など、さまざまな可能性を模索していく。

〈張家港キン宇実業/高品質な洗濯表示タグ〉

 06年の設立で洗濯表示などのタグやシール類、紙製のペットハウス、ギフトボックスなどを手掛ける。工場の建物面積は1万8千平方メートルで、従業員数100人。自社に高い開発能力があり、顧客のニーズを形にすることができることが強みと自負する。

 売り上げの8割が輸出、2割が中国国内販売だ。輸出額の主な仕向け地別構成比は、米国45%、日韓・欧州35%で、米国とベトナムには事務所を持つ。ここ数年、日本向けの売り上げは拡大している。

 初出展の今回は、タグとシール類、ギフトボックスを出展する。高品質と耐久性の高さが、欧米の顧客から評価されていることをアピールする。

〈張家港市波鴻貿易/ペット用キャリーバッグ提案〉

 工具などを入れるツールバッグメーカー。工場の建物面積は2万7千平方メートルで、従業員数は約150人。ISO9001(品質マネジメントシステム)などの各種認証を取得している。08年の設立で、工具などを入れるツールバッグを主力としてきたが、ここ数年は新規アイテムのペット用キャリーバッグの拡販に取り組んでいる。

 輸出に特化しており、輸出額の仕向け地別構成比は、米国45%、欧州35%、日韓20%。日本市場向けは、大手スーパーなどとの直接取引がメイン。

 初出展の今回は、ペット用キャリーバッグを前面に打ち出す。耐久性があり、抗菌性を持ち、通気性の高い生地を採用。デザインにもこだわっていることを訴求する。