繊維ニュース

東レと大妻女子大/日傘を共同開発/学生アイデアと機能素材融合

2024年04月19日 (金曜日)

 東レと大妻女子大学(東京都千代田区)はこのほど、学生のアイデアと東レの機能素材や環境配慮素材が融合した日傘を共同開発した。製造販売は洋傘・服飾雑貨製造販売のオーロラ(同渋谷区)が担当し、20日からオーロラ・オンラインショップで販売を開始する。価格は9900円。

 今回の共同開発プロジェクトは、2023年に東レが大妻女子大家政学部被服学科で開いた特別講義「東レのサーキュラーエコノミーに関する取り組みと『&+』(アンドプラス)について」がきっかけ。同学科は教育活動の一環として学生目線で社会貢献に取り組むファッションブランド「マールトウキョウ」を立ち上げており、東レの取り組みとコンセプトがマッチしたことで共同開発が始まった。

 開発した日傘は、さりげないかわいらしさを連想させる学生ならではの発想から生まれたデザイン。傘地は高い遮熱(しゃねつ)性・遮光(しゃこう)性、UVカット性を持つ東レの「サマーシールド」、親骨には炭素繊維「トレカ」を採用した。サマーシールドの原料の一部には回収ペットボトルを原料に使用した再生ポリエステル繊維のアンドプラスを使用することで1995~2010年ごろに生まれたZ世代など環境配慮に関心の高い消費者のニーズに応える。

 マールトウキョウ日傘企画チームの代表を務めた同学科の城所愛佳さんは「約8カ月間かけて、ようやく私たちが欲しいと思える日傘が完成しました。閉じたときのリボンや開いたときに見えるハートの刺しゅうがポイントになります。機能性と環境に配慮した夏の必需アイテムをぜひ手に取っていただけたらうれしいです」と話す。