聯泰集団の陳CEO/「香港はコネクターになれ」/日本人商工会議で講演

2024年04月16日 (火曜日)

 【香港=岩下祐一】香港日本人商工会議所繊維・化学品部会が11日に開いた2024年度第1回部会で、地元繊維業界連合会、香港紡織業聯会の前会長で、OEM大手、聯泰集団(ルエンタイ)のCEOを務める陳亨利氏が、香港繊維業界の進むべき方向性について講演した。

 陳CEOは、中国政府が海外からの外国企業の導入と、中国企業の海外進出の双方を支持する中で、香港企業は中国と海外のコネクターを担うべきと指摘した。香港企業は中国市場に精通しており、海外ブランドの中国内販を支援できるとした。

 その事例として、ルエンタイが展開するシューズブランド「スケッチャーズ」と、同社と伊藤忠グループの共同で手掛けるバッグブランド「レスポートサック」の中国内販を挙げた。

 同時に、香港企業はASEAN地域で長年OEMを手掛けてきた知見を生かし、中国ブランドのASEAN進出をサポートできるとも主張した。

 さらに日中韓、ASEAN諸国、豪州、ニュージーランドなど15カ国が加盟するRCEP(地域的な包括的経済連携)を背景に、将来は中間層の拡大が続くASEAN地域と東アジアの一体化が進むと予測。こうした中、「アジアの企業はアジアで発展し、さらにアジアから世界を目指すべきだ」と述べ、講演を締めくくった。

 香港日本人商工会議所繊維・化学品部会は、正会員133社、準会員20社の計153社が所属。元々は繊維部会と化学品部会それぞれで活動していたが、今月1日に合併した。