シキボウ/ユニフォーム向け試作生地多数/幅広い対応力で需要活性

2024年04月11日 (木曜日)

 シキボウは、ユニフォーム向けに校倉(あぜくら)造り構造織組織高通気生地「アゼック」や特殊技術のストレッチ加工生地「パワール」といった差別化素材をベースとしたストレッチを中心に多数の試作を打ち出す。原料から海外拠点を活用した製品まで幅広い対応力で新たな需要を掘り起こす。

 10日から大阪本社で始まった2024展示商談会では例年とは大きく異なり、「ユニフォーム」「グローバル生産拠点」「新内外綿との連携開発による原料原糸」の三つのカテゴリーに力を入れた展示会となっている。特にユニフォームでは展示する約40品番のうち、半分以上がストレッチを中心とした試作品となっている。

 綿20%・ポリエステル80%の素材を中心にポリウレタンを使わずに高いストレッチ性のある生地を多数投入。夏向けにロングセラーのアゼックのほか、糸設計から紡績・製織・後加工などさまざまな手法で高いストレッチ性に加え、抜群の洗濯耐久性も特徴のパワールでも多数試作品を打ち出した。

 ベトナムや中国での製品供給も提案。1月にはベトナムに現地法人を立ち上げたことから、現地決済にもスムーズに対応できる。既にスポーツ向けで実績ができつつあり、そのノウハウも生かせる。

 新内外綿が取り組む繊維廃材のアップサイクルシステム「彩生」では回収からリサイクルの過程を分かりやすく紹介。音楽イベントを通じたTシャツのリサイクルプロジェクトなどの実績ができつつあり、環境配慮への関心が高まるユニフォーム用途でも採用を広げる。

 展示商談会は初日の10日午前中から多数の来場者があり、中にはユニフォームメーカーのトップ自ら説明を受けながら商談に臨む姿も見られた。大阪では明日12日まで開かれる。今後、東京に加え、初めてシキボウ江南(愛知県江南市)、岡山市、広島県福山市でも予定している。

 国内外で製販の拠点が整っていく中で、尻家正博社長は「社内からいろいろと新しい発想が出ててきており、お客さんと共にどんどん挑戦していこうという機運が高まっている。これから楽しみな部分も多い」と話し、展示商談会での成果を期待する。