繊維ニュース

帝人/コロナ感染死を抑制/水溶性食物繊維で

2024年04月10日 (水曜日)

 帝人が販売する水溶性食物繊維であるイヌリンが、新型コロナウイルス感染症による動物モデルの感染死を有意に抑止することが分かった。同社とベンチャーのメタジェン(山形県鶴岡市)、慶応義塾大学先端生命科学研究所、東京大学医科学研究所感染症国際研究センターの共同研究で明らかになった。

 ハムスターを通常食(コントロール群)と5%イヌリン添加食を摂取させる群に分け、摂取2週間後に新型コロナウイルスを経鼻感染させた。その結果、コントロール群は感染10日後の生存率が60%だったのに対し、5%イヌリン添加食群の生存率は100%だった。

 腸内細菌の代謝によって産生される二次胆汁酸の一つであるデオキシコール酸が同感染症の重症化を抑制することは明らかになっているが、5%イヌリン添加食群は便中と血清中のデオキシコール酸量がコントロール群よりも高かった。イヌリンの摂取でデオキシコール酸の産生量が増加したとみられる。