帝人フロンティア ASEANでのモノ作り強化

2024年04月08日 (月曜日)

 帝人フロンティアは、ASEAN地域でのモノ作りを強化する。タイの合繊織布・染色加工子会社であるタイ・ナムシリ・インターテックスを「第2の南通帝人」に育成するほか、インドネシアの協力工場を活用したオペレーションを拡充する。平田恭成社長は「次の時代の生産背景を作り、商権を拡大する」と話す。

 同社中国グループ会社の南通帝人は、ポリエステル長繊維を中心とする化合繊織・編み物を製造・販売する。中国国内販売や輸出を行っているが、1994年設立当初のナショナルスタッフが部長クラスで残り、品質管理などで強みを発揮。業績も堅調に推移しており、増収増益基調にある。

 南通帝人の技術スタッフとの交流を深め、その品質力を植え付けている段階にあるのがタイ・ナムシリ・インターテックスだ。品質力などの強化によってタイ国内向けと輸出の両面を拡大する。「ターゲットや問題点を洗い出し、2024年度以降の成果発現」(平田社長)を目指す。

 インドネシアでは、ニットを軸に協力先を拡充する。インドネシア国内向けに加え、ベトナムやミャンマーなど、ASEAN地域の縫製拠点に生地を供給する。ASEAN地域ではベトナムの現地アパレル企業への販売も増やしていく方針だ。

 同社の24年3月期は、営業利益120億円を予想(2月公表の帝人繊維・製品セグメントの数値)している。24年度も同レベルを維持(24年度からIFRS適用)したいとしつつ、もう一段の収益力向上に取り組む。

 平田社長は「事業環境や経済情勢が変化しても安定して100億円の利益を出せる体制にすることが目標だった」とする。今後について、コミットした数字ではなく、個人的な思いとした上で、「150億円が次のターゲットになる。その時の売上高は4千億円(24年3月期見通し3200億円)のイメージ」と話した。