繊維ニュース

大和紡績 2層構造糸の販売2割増

2024年04月02日 (火曜日)

 大和紡績は、リサイクルポリエステルを米綿で包んだ2層構造糸「ツインレット」の販売を伸ばしている。2023年度はメンズ向けのカジュアルやインナー向けを中心に、前年比で2割増を見込む。新たに芯にナイロンを使った「ツインレットN」も開発。上質な米綿を鞘に使い、柔らかくかさ高性のある生地となり、風合いも良いことから、レディースやスポーツなどへも販路を広げる。

 これまで綿・ポリエステルの2層構造糸を「セルピー」ブランドとして展開していた。2年ほど前から、サステイナビリティーや環境配慮への意識の高まりを受け、上質な米綿とリサイクルポリエステルを使った2層構造糸をツインレットとして販売。風合いの良さや吸水速乾性、寸法安定性の高さから使いやすく、メンズ向けを中心にカジュアルやインナーなどへの採用が増えた。

 芯にリサイクルナイロンを使い米綿で包んだ2層構造糸ツインレットNの拡販にも乗り出す。ナイロンは(GRSグローバル・リサイクルド・スタンダード)認証を取得しており、環境配慮の面でも訴求できる。伸度のあるナイロンを芯に使うのは紡績では難しく、調整に苦労したと言う。バルキー性のある糸になり、綿100%に比べてもかさ高性のある生地となる。ピリングの発生を抑え、速乾性といった機能も兼ね備える。

 販売では製品まで対応するケースが多いが、糸売りも可能で20、32、42番手を展開する。

 主力のメンズ向けだけでなくスポーツやレディース向けにも提案を加速。芯・鞘それぞれで違う素材を使うなど、新たな素材開発も進める。