ごえんぼう

2024年03月29日 (金曜日)

 五感の中で最も原始的なのが触覚。視覚、聴覚、嗅覚、味覚は、顔のある動物の誕生とともに発達してきたという。確かに、触覚以外の感覚器は全て顔にある▼前に進んで捕食する必要のないイソギンチャクなどには顔がない。顔があるのは、魚類に始まる、栄養を自ら取る方向へ進化してきた動物。餌まで近づき食べるため体の一番前に口ができ、その周辺に獲物を捕らえるための目や耳、鼻ができてきた▼それら感覚器から入ってくる情報を処理するために神経の塊が生まれ、それが進化して脳になって、顔ができたと考えられている。五感は危険を察知し身を守るためにも働く。人は表情からも危険性を感じ取り対処する。逃げるだけでなく、コミュニケーションを取って共存する術も獲得してきた▼科学技術が進化するにつれ、そうした身体的感覚が薄まってきたとされる。「考える」とともに、「感じる」ことも大切にしたい。