ごえんぼう

2024年03月25日 (月曜日)

 1911年の今日、ニューヨーク・マンハッタンの縫製工場で火災があり、縫製工146人が犠牲になった。いわゆるトライアングル・ウェストシャツ工場火災である▼犠牲者の多くは英語を話せない若い移民女性で、経営者のずさんな安全管理が大惨事を招いた。これをきっかけに労働者保護への意識が一気に高まることになる▼米労働総同盟・産別会議によると、当時女性の社会進出が目覚ましく、同工場で縫われていたシャツブラウスが「この国で階級の壁を越えた最初の流行の一つになった」としている。ファッションの大衆化は生活文化の発展を促す一方、時に悲劇をもたらす▼2013年にバングラデシュのダッカ近郊で起きた、ラナ・プラザ崩落事故はまだ記憶に新しい。基本的に繊維産業の構造は100年前から変わっていない。それでも服を買うとき、どこで製造されたかを意識するだけでも少しは変わってくる。