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伊藤忠Gのプロミネント〈ベトナム〉/製品卸と綿花販売開始/ビナテックスとの提携生かし

2024年03月15日 (金曜日)

 伊藤忠商事グループのプロミネント〈ベトナム〉は来期(2025年3月期)、伊藤忠グループが持つ各種ライセンスブランド製品のベトナム店頭への卸販売と、現地紡績企業への綿花販売を新規事業として始める。内販拡大に向け新たな提携ブランドの選定も急ぐ。

 同社の24年3月期は、利益ベースで前期比横ばいとなる見込み。対日、内販、欧米向けの全てを伸ばす計画だったが、欧米と内販の市況冷え込みなどにより、いずれも伸ばし切れなかった。対日はユニフォームが苦戦する一方、グループを挙げて拡大を狙うスポーツ分野が伸びてユニフォームの落ち込みを補完した。

 昨年秋ごろからは欧米、内販ともに市況が回復してきていることから来期は改めて拡大させる。対日では特にスポーツ関連の伸びに期待する。

 来期は、同国最大の繊維公団でありパートナーシップ連携するビナテックスなど有力連携先とともにさらなる強力なサプライチェーンを構築しつつ、出口(販路)を増やしていく。その一環として、主力の対日スポーツ、ユニフォームに加える形で、伊藤忠グループが持つ多様なライセンスブランド製品を、ベトナムの小売店に卸す事業をスタートさせる。既にビナテックス傘下の繊維・ファッション関連の小売店と商談を進めている。

 ビナテックス傘下の紡績企業への綿花販売も始める。ビナテックス傘下には11の紡績企業が名を連ねているが、それぞれ綿花の調達先が違う。プロミネント〈ベトナム〉が一元化することによるメリットを訴求していく。既に一部成約も得ているという。

 ベトナム現地ブランドへの内販拡大にも引き続き取り組む。現地有力SPA、コーウィル社との連携が軌道に乗っており、このほど社内に、同社の主力ブランド「オーウェン」のミニショールームを設置した。「第二、第三のコーウィルを探し、提携していく」ことで内販拡大を狙う。