ごえんぼう

2024年03月11日 (月曜日)

 東日本大震災では死因の9割が津波による溺死とされている。ただ、濡れた服のまま避難し低体温症で亡くなった事例も溺死に含まれているそうで、死因をより明確にして防災に役立てようとする動きが強まっている▼今年元日に発生した能登半島地震では、倒壊した建物の中で寒さによって体力が奪われたことよる低体温症・凍死による犠牲者が1割超とされる。家の中でも防寒着を常に着るというわけにはいかないが、せめて手の届く範囲には置いておきたい▼ミドリ安全が2月に発表した子供と同居する全国の母親800人を対象とした防災への備えに対する実態調査では、非常食の備蓄率は54・6%だった。一方で「保温・断熱シート」の備蓄率は22・6%にとどまっている▼政府の地震調査委員会は南海トラフ地震の30年以内の発生確率を70~80%としている。日頃の備えこそ自分や大切な人の命を守ることにつながる。