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「インテキ上海24春夏」/日本館出展者が春展最多/中国への根強い期待映す

2024年03月07日 (木曜日)

 服地と副資材の国際展「インターテキスタイル(インテキ)上海アパレルファブリックス2024春夏」が6日、中国・上海の国家会展センター〈上海〉で開幕した。日系出展者が集まる「ジャパン・パビリオン」には、春開催として過去最多の27社が出展、各社の中国市場への根強い期待感を映した。会期は8日まで。(岩下祐一)

 出展者数は25カ国3千社超で、昨春並みとなった。海外出展者は約400社で、日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)が主催するジャパン・パビリオンをはじめ、イタリア、トルコ、パキスタン、韓国、台湾などがパビリオンを設けている。

 ジャパン・パビリオンには、川越政、小原屋繊維、三政テキスタイル、SHINDOの新規出展4社を含む27社が出展。昨春を6社上回り、春展として過去最多となった。東麗酒伊織染〈南通〉や南通帝人、スタイレム瀧定大阪などは、単独で出展している。三菱ケミカルは、現地エージェントとの共同ブースを構えている。

 ジャパン・パビリオンの出展社数の増加は、日系企業の中国市場に対する根強い期待感を映す。 中国では、22年末に「ゼロコロナ」政策が解除され、アパレル市況の回復が期待されていた。ところが、23年から不動産不況などを背景に消費者マインドが低迷し、逆に市況は鈍化している。

 こうした中、アパレルブランドは勝ち組と負け組の差が鮮明になった。また小ロット・短納期のニーズがさらに強まり、バイオーダー品の販売の難度が高まる一方、備蓄品への引き合いは増えている。

 今年に入っても市況の回復の兆しは見られない。不透明感が漂う中で開幕したが、初日午前中の来場者の出足は良い。ジャパン・パビリオンに初出展した小原屋繊維の中瀬貴之・企画営業部主任は「想像以上に来場者が多く、驚いている。対応が間に合わないほど」と語った。

 同社は、リネン使いなど天然素材の織物の備蓄品を手掛ける生地商社。中国内販では、SNSなどを活用した営業を展開し、日本から直接販売している。さらなる拡大を図るため出展した。

 同じく初出展の川越政は、製品OEMと生地販売を展開する商社だ。海外向け生地販売は、英国とベトナムの2カ国向けが中心となっている。今回展を機に、中国を第三の柱にしようと目論む。

 ジャパン・パビリオンに連続出展する柴屋は、エージェント経由で内販に取り組む。内販の売上高はここ数年、微増が続く。「元々の規模が小さいこともあるが、中国市場は伸び代が大きい。やればやるほど増やせる」と奥野雅明社長は言う。

 内販の難度は高まっているものの、中国市場は巨大でブランド数が多く、ニッチゾーンで成功するところも少なくない。市況に左右されることなく、やり方によっては売り上げを伸ばすこともできる。出展各社にとって中国は、最も可能性を感じる海外市場で、中国重視の姿勢は揺るがない。