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この人に聞く/海外に再チャレンジ/メーカーズシャツ鎌倉社長 貞末 奈名子 氏

2024年03月05日 (火曜日)

 メーカーズシャツ鎌倉が待望の京都進出を果たした。1日、京都・四条烏丸の京都三井ビルディング1階に「メーカーズシャツ鎌倉 京都四条烏丸 三井ビル店」をオープン。就任して5年が経過した貞末奈名子社長。就任後すぐに新型コロナウイルス禍に見舞われたが「歯を食いしばって乗り切ってきた」と言う。今後の事業計画を聞いた。

  ――便利なところに店を出しました。

 阪急京都線の烏丸駅、市営地下鉄烏丸線の四条駅と直結しており、雨の日でも駅からはぬれることなく来店できます。1月1日と祇園祭の山鉾巡行が行われる7月17日が定休日です。大阪店には京都のお客さまもよく来られていて、いつになったら京都に店を出すのかと催促されていました。

  ――こだわりのモノ作りを続けてきました。

 海外生産のシャツでいいという人も大勢おられるでしょうが、私どもは生地にも縫製にもこだわり国内生産しています。ネクタイの一部は欧州縫製です。こんな時代だからこそいいものを着たいという人が増えています。コロナ禍がようやく収束し、最近は今後への手応えを強めています。

  ――コロナ禍には相当、苦しめられましたか。

 緊急事態宣言が出た時には2カ月間、全店クローズを強いられました。当社は12月期決算なんですが、2020年12月期が一番苦しかったです。23年12月期ではV字回復を達成しました。年商はざっと55億円といったところです。今年は57億~58億円を目指しています。

  ――主力取引先は。

 ユニチカと東播染工(兵庫県西脇市)です。ユニチカの複重層糸「パルパー」で商品化したシャツの販売が好調です。当社は厳格に生産をコントロールしているので無駄なものを出しません。アパレル業界では廃棄やロスが課題になっていますが、当社とは無縁です。

  ――新年度にどう臨んでいきますか。

 先ほども申しましたが、手応えを感じています。京都店は24店舗目ですが、4月下旬に25店舗目となる新潟店を出店します。大規模開発が進む駅前の商業施設の中にオープンします。新潟の次は海外展開です。かつて米国に店を持っていましたがコロナ禍で撤収しました。今年は米国に再度チャレンジします。