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帝人/燃料電池発電機の有効性を実験/日赤看護大と共同で

2024年03月01日 (金曜日)

 帝人は、日本赤十字看護大学との間で、災害時の非常用電源として燃料電池発電機を活用する実証実験に関する連携協定を締結した。実証実験は2024年度に開始する。帝人はこの実験を通じて燃料電池発電機の研究開発を進め、災害時に電力を必要とする被災者のQOL向上を目指す。

 同大学の付属で、災害救護活動の研究に特化した機関である災害救護研究所と共同で行う。災害発生時を想定し、ガソリンやディーゼル発電機の運用が困難な閉鎖空間における燃料電池発電機の非常用電源としての有効性を確認する。

 そのほか、限られたスペースにおける設置場所、換気方法の確認、医療機器向けに使用される医療用バックアップ電源への給電装置としての有効性の検証、課題の抽出なども実施する予定。

 同大学は、有毒ガスやにおいが発生せず、低騒音で稼働する燃料電池発電機に着目し、災害時の非常用電源としての活用を検討。帝人は、水素エネルギーの普及に向けて、可搬型燃料電池発電機「燃料電池ユニット」と同ユニットに水素を供給する「圧力容器ユニット」を開発し、実証実験を行う相手を探していた。