23年のアクリル紡績糸生産/需要減退で8.9%減/原綿メーカー減少も影響か
2024年03月01日 (金曜日)
経済産業省の生産動態統計(確報値)によると、2023年のアクリル紡績糸生産は3402トン(前年比8・9%減)だった。全品種で前年実績を下回っており、アクリル繊維の需要減退が鮮明になっている。
品種別では100%糸が1206トン(5・5%減)となり、毛混糸も1262トン(10・1%減)と大きく減少した。各用途でポリエステル繊維など他の合繊との競争が激化し、アクリル繊維の需要が減退していることをうかがわせる。また、三菱ケミカルグループがアクリル短繊維の生産・販売から撤退するなど国内の原綿サプライヤーが減少していることも影響した可能性がある。
12月単月の生産量は234トン(22・5%減)だった。ここに来て減少傾向が一段と鮮明になっており、市況に勢いがないことをうかがわせる。