ザ・メーカーズ閉幕/中国OEMの魅力訴求/新規参入や復活の契機に
2024年03月01日 (金曜日)
中国トップクラスのアパレルOEM/ODM企業102社が一堂に会した商談会「ザ・メーカーズ・アパレルショー」が29日に閉幕した。会場のサンシャインシティ文化会館(東京都豊島区)には、中国生産の魅力を再発見しようと多くの来場者が、出展者と活発に交流した。日本向けのビジネスの経験が豊富な出展者に加え、日本市場への参入や日本企業との取引の再開を目指す中国OEM企業のアピールも活気を生んでいた。
ニットの婦人服を中心に手掛ける嘉興佳詩琪時装は、イタリアなど欧州向けを主力としてきた。今後は日本に向けたビジネスも開始しようと、初めて日本での展示会に参加したと言う。「製品の質が高い日本のアパレル業界に供給できるようになれば、企業成長につながる」と狙いを話す。デザイン力と併せ、網目を強調するなど2次加工で製品の特徴を出せる技術も発信した。
寝装品の蕭邦生活科技〈浙江〉は、独自ブランド「紅秀世紡」を中国国内で展開する。スーパーなどへの販売網を築き、商品を広げてきた。日本市場にも商圏を拡大しようと、日本での展示会に初出展した。「日本は中国と文化的にも近く、日本人は生活にこだわりがあるというイメージを持っているため、当社の商品も受け入れられると考えた。日本企業の信用性も大きな魅力」と語る。コットンやシルクの高級素材を使った品質性をアピールした。
浙江嘉欣絲綢肢フンは、素材の種類も問わず、ほぼオールアイテムの生産をこなす。今回はコートやシャツなどの布帛製品を担うミャンマー工場を展示の中心に据えた。同社の製品は欧米向けが占めるが、かつて取引のあった日本企業との関係再構築を目指して出展したという。ミャンマーと中国、カンボジアで築いた生産拠点の活用を提案した。「内容のある商談が多くできた」と手応えを示した。