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ニッケの中国法人/ファッション向け内販伸ばす/中国品と「ギャバジン」好調

2024年02月29日 (木曜日)

 【上海支局】ニッケの中国法人、青島日毛織物上海分公司が、ファッション向け生地の中国内販を伸ばしている。日本製のウール100%織物「ギャバジン」と、青島日毛織物が生産する先染め織物がともに好調だ。今年は、青島日毛織物の内販向けアイテムを拡充しながら、市場開拓を進める。

 ファッション向け内販のアイテムは、グループ会社のニッケテキスタイルが生産する日本製織物と、青島日毛織物の先染め織物のバイオーダー品だ。古谷英治総経理は「日本製、中国製双方ともに販売を伸ばしている」と話す。2023年の売上比率は、中国製7、日本製3だった。

 日本製は、欧州メゾン向け販売で豊富な実績を持つ、ウール100%の織物「ギャバジン」への引き合いが多い。中国製は撥水(はっすい)、ウオッシャブル対応の織物が人気だ。

 主力の顧客は、高価格帯のネット通販ブランドやデザイナーズブランド。こうしたブランドは短納期・小ロットのニーズが高く、対応は容易ではないが、「全てが短納期ではない。一部アイテムはバイオーダー品も使える」(柴建副総経理)。

 今年は青島日毛織物の内販向けアイテムの開発に力を入れる。同工場は元々、ウール・ポリエステル(TW)使いの日本向けの生地を中心に生産していたが、昨年からウール100%やウール混率が高い内販のファッション向けの開発に重点を置いている。今年はさらに、シワ防止など日本本社の技術を生かした機能性生地の開発にも取り組んでいく。

 同社は、21年秋に開催された生地展示会「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」への出展を機に、ファッション向け生地の内販を本格化させた。23年の春、秋展にも出展し、「多くの新規顧客を開拓できた」(古谷総経理)。3月6日に開幕する24年春展では、ギャバジンや、青島日毛織物のファッション向け織物をメインに訴求する。