ごえんぼう
2024年02月26日 (月曜日)
独裁者の最期というものはいつも陰鬱だ。ソ連のスターリンは別荘で脳卒中によって倒れた時、発見が遅れて亡くなった。高官が見殺しにしたという暗殺説もある▼16世紀のモスクワ大公国のイワン雷帝は極めて苛烈な性格でロシア史上最大の暴君といわれる。ささいなことから後継者の息子とその身ごもっていた妻を殴り殺してしまう。晩年は罪の意識にさいなまれて統治が停滞したという▼スターリンはそのイワン雷帝を崇拝していたとされる。ヒトラーがムッソリーニを尊敬していたという話があるように、独裁者はなぜか違う独裁者に憧れる。だが、悲惨な最期には目をつむってしまう▼ロシアのウクライナ侵攻が3年目に入った。スターリンを模倣するかのように次々と政敵を消してきたとされるプーチン大統領。自身の末路を想像することはあるのだろうか。独裁者の未来はたとえ戦争に勝ったとしても決して明るくはない。