ごえんぼう

2024年02月15日 (木曜日)

 10年前の今頃、作曲家二人による「ゴーストライター問題」が発覚し世間を騒がせた。佐村河内守氏と新垣隆氏である▼新垣氏の主張によると佐村河内氏は「18年間全ろう(耳が全く聞こえない)であるとうそをつき続けてきた」。その間の楽曲は新垣氏が制作してきたが、世間には佐村河内氏の作品として発表された。一部関係者は佐村河内氏が全ろうでないことを知っていたという▼ある染工場社長氏が発注元の商社に対し、その商社が「自社でデザインした」とうたうプリント柄のほとんどは、実はその染工場がデザインしたものであると力説。その染工場は裏方に徹し、事実を告発するつもりなどはないそうだが、「うそ」には落胆している▼ゴーストライター問題に間接的に関与した人物は「業界の悪習慣だ」と警鐘を鳴らした。事実の隠ぺいや、うその許容がビジネスを生み出した。事実発覚後には業界への不信感だけが残った。