特集 第21回ジャパン・ヤーン・フェア&「THE BISHU」(8)/モノ作りを支える染色・関連企業/岐セン/TMT神津/村田機械/トヨシマビジネスシステム/ユカアンドアルファ

2024年02月09日 (金曜日)

〈「バゼロ」シリーズ中心に/岐セン〉

 岐セン(岐阜県瑞穂市)はナイロンのコンパクト加工「バゼロ」シリーズを中心に訴求する。

 バゼロは独特なハリコシ感やナイロン特有の表情、環境に配慮した加工方法である点などが評価され、メンズアウター向けを主力に加工量を伸ばす。2024年3月期は20万㍍を見込んでいるが、来期は非フッ素の撥水(はっすい)加工との組み合わせも含めて60万㍍への拡大を目指す。

 バゼロシリーズは現在、バゼロのほか、ツヤ感など光沢を表現する「バゼライト」、ソフトに仕上げ、よりコットンライクな「バゼソフト」をラインアップする。今回展ではさらにシワ感を強調し新しい表面感を持つ新タイプも提案する。

 バゼロシリーズ以外はコーティング加工のような表面感を付与した秋冬向けの開発品も紹介する。

〈コーン巻きの実演も/TMT神津〉

 TMT神津は、化合繊用リワインダー「ワインディングマスター」を展示する。今回展では特にコーン巻きでの強みを訴求する。

 ワインディングマスターは特殊糸を含めて幅広い糸種に対応するほか、必要量に応じて1錘単位で導入できるなどの特徴を持つ。近年は導入が先行する北陸以外からの注文も増えており、昨年は愛知や静岡などでの導入も進んだ。染工場向けだけでなく、糸加工メーカーや織布企業、合繊メーカーからの引き合いも増えている。

 染色用ソフト巻き、ラウンドショルダー巻き、高密度巻きなど多様な巻き取りができるが、今回展示ではコーン巻きをブースで実演し、機械の扱いやすさや解除性など品質面での強みを訴求する。

 巻き取りは6、8、10インチ幅に対応するが、12インチ幅の産業資材用もそろえている。

〈コアカラー糸など紹介/村田機械〉

 村田機械は渦流精紡機「ボルテックス」の糸を使った生地サンプルや、自動ワインダーの最新機種「AIcone」(アイコン)を紹介する。

 ボルテックス糸は「毛羽が少ない」「毛玉を抑える」「洗濯に強い」「プリントが奇麗」「水を吸いやすい」などの特徴を持つ。洗濯時の繊維脱落が少なくなるため、排水で流れる繊維くずを抑え、長く使用できる製品にできる。一般的な精紡機に比べて小ロット生産がしやすく、糊付け量を減らしての製織が可能などの特徴もあり、近年はSDGs(持続可能な開発目標)の観点でも注目されている。

 長繊維を芯にして短繊維でカバーしたフィラメントコアヤーンの生産も可能。会場ではカラーフィラメントを使った「コアカラー」の生地も展示する予定。

 アイコンは、高い生産性や省エネ性、メンテナンスのしやすさなどが特徴。今回展では巻き返し機の紹介にも注力する。

〈商品・画像検索システム訴求/トヨシマビジネスシステム〉

 トヨシマビジネスシステム(名古屋市中区)はデザインや商品画像の情報を共有・管理できるシステム「イメージドロアー」の訴求を図る。実演も交えて利便性や機能を伝える。

 デザインなど画像ファイルを含めた商品に関する情報と仕様書や生産に関わる情報を共有するもので、検索内容でひもづけしたデータを書き出すことも可能だ。それぞれの職種で必要な情報を効率的に、早く活用できる。

 今回展で来場が予想される、糸商や生地商へのアプローチも強化したい考えを持つ。

〈生地の柄や質感再現するソフト/ユカアンドアルファ〉

 ユカアンドアルファ(東京都渋谷区)は、簡単な操作で生地の柄や質感を3Dで再現できるソフトウエア「バースセット」を紹介する。会場での実演も行う。

 生地見本や実物をスキャナーで取り込み3Dデータ化するもの。ソフト上に再現データが忠実かつ立体的に表現される。立体的だけでなく、タイルのように平面に敷いた図柄の表現も可能。色指示を行う「パントン」で新たな配色の図案を作ることもできる。

 主に生地商や生地の製造企業に対する認知と訴求を出展の目的としている。