ごえんぼう
2024年02月14日 (水曜日)
能登半島地震の発災から1カ月半、自衛隊や復興を支援する業者、災害ボランティアなどいかにマンパワーが必要かを思い知らされた。自然災害の下では、デジタル技術や人工知能(AI)は無力に見える▼電源が喪失すれば、パソコンやスマートフォンも動かない。重要インフラである携帯電話の基地局も大きな被害を受けた。政府や大手企業が推進してきたデジタル化は、復興に役立つのだろうか▼デジタル庁は避難所の利用者把握、物資支援の効率化を図るためICカード「Suica」を使ってデータを集積、ある民間企業は被災者支援AIを開発し、スマホで支援制度を表示できるようにした▼これが先進的なのだろうか。別の企業に至っては「デジタルの力で被害を最小化する」とある。AIを使った災害予測や復興への道程を提示するものというが、復興作業を行うのはあくまでも人間である。虚しさだけが胸に残る。