ごえんぼう
2024年02月08日 (木曜日)
投機目的や転売を狙った商品を見る機会があった。欧州ラグジュアリーブランドと「ナイキ」の協業スニーカーが129万円というプレミアム価格に高騰し、熱狂的なファンや転売ヤーが購買に動く現場を目撃した▼定価は約26万円。希少なサイズによってはさらに価格がアップする。もちろん流通する個体数は少なく、いわゆる「枯渇マーケティング」を象徴するような戦略だ。それでもスニーカーを求めて転売ヤーが小売店をさまよう▼転売ヤーの主要取引先だった中国市場が停滞し、一部の高級ブランドを除く商品の動きが鈍化。小売店の担当者に話を聞くと「転売ヤーも必死だ。利益が出る商品が少なくなっている」と話す▼フェアな取引がなければ、消費者はいずれブランドを見限る。プレミアム価格は人気のバロメーターでもあるが、一般消費者は手が出せない。行き過ぎた枯渇マーケティングは信頼を裏切ることになる。