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帝人テクロス/設備更新し内製化/来期も構造改革

2024年01月31日 (水曜日)

 自動車内装材製造のスミノエテイジンテクノ(STT、大阪市中央区)の子会社、帝人テクロス(愛知県稲沢市)は来期(2025年3月期)も構造改革に取り組む。

 同社はカーシート地向けが主力の糸染め、織布のほか、ナノファイバーやマイクロファイバーなど超極細繊維など特殊な糸染めも行うが、採算的に厳しい状況が続いていた。このため、本格的な収益改善に着手した。今期はコスト上昇に伴う価格改定を実施する一方、生産体制の整備も進めた。

 その一つが老朽化する織機の更新で、エアジェット織機4台を新たに導入した。

 来期に向けてはチーズ染色用の先巻き(染色前に穴開きボビンに糸を巻き直す)ワインダーの新タイプへの更新や撚糸機の入れ替えも検討する。一方で、チーズ染色機は受注に見合う形で60%削減するなど構造改革を進める。

 これらの手立ては外部委託分を内製化するのが狙い。チーズ染色機、織機、撚糸機など各種設備を保有するものの、外注比率が高かった。「まずは社内だけで完結し稼げる体制を作る。来期もその土台作りに重点を置く」(中島俊広取締役)考えだ。

 また、主力の発注先である、STT以外の受注拡大も進める。その一環で12月にホームページを立ち上げた。STTは住江織物と帝人フロンティアの合弁会社で、カーシート地、天井材を製造販売する。