繊維ニュース

マルオリグループ 海外販売拠点を整備

2024年01月31日 (水曜日)

 丸井織物など8社で構成するマルオリグループ(石川県中能登町)は、今期(2024年12月期)からの中期3カ年計画で、年率10%の売り上げ拡大を狙う(一部既報)。

オリジナルグッズのオンデマンドサービス「UP―T」(アップティー)を核とするオンデマンド事業や、商社機能を強化して生地や縫製品を展開するトレーディング事業を大きく伸ばし、最終年度の26年は連結売上高320億円(23年は241億円)を計画する。

 新中計では「テキスタイル」「トレーディング」「産業資材」「オンデマンド」の四つのビジネスユニット(BU)を設け、各事業の拡大を図る。最終年度売上高は、テキスタイルBUが114億円、トレーディングBUが52億円、産業資材BUが72億円、オンデマンドBUが82億円を計画する。オンデマンドBUとトレーディングBUは22年比で約2倍に伸ばす。テキスタイルBUは、昨年に倉庫精練の染色加工事業から一部を除いて撤退した影響が約17億円あるが、それをカバーして微増収とする。最終年度の織機台数は現在と同水準を想定する。

 海外を重点的に伸ばす考えで、グローバルに販売拠点を整備する。テキスタイルでは、まず韓国、中国、米国、欧州に販売事務所を設ける計画で、その後に現地法人化も検討していく。「インターテキスタイル上海」など海外展への出展も積極的に検討する。

 新中計では織機など設備で40億円、M&Aで20億円の合計60億円の投資枠を設けた。千台超を保有する織機は今年、ウオータージェットとエアジェットで約100台の設備投資を予定する。今後は主力のスポーツに加えてカジュアルやレディース、ユニフォーム、産業資材などの用途も伸ばす考えで、薄地だけでなく中肉厚地の織機も増強する。小ロット対応のための製織準備機などへも投資するほか、デジタル技術で企業を変革するDX投資にも力を入れる。

 M&Aはアップティーと親和性の高い分野を中心に進めてきたが、新中計では「繊維でモノ作りの強みを生かせる」分野でも検討していく。