繊維ニュース

三陽商会/戦後のヒット商品復刻/現代版シルクレインコート

2024年01月30日 (火曜日)

 三陽商会が展開するコート専業ブランド「サンヨーコート」は、上品な光沢と深みのある色合いが特徴のシルク100%の生地を使った「シルクレインコート」を2月7日に発売する。婦人、紳士用で各1型を用意し、同生地には撥水(はっすい)加工を施した。公式オンラインストアとサンヨー・エッセンシャルズ日本橋高島屋SC店で販売する。

 1947年に販売して一大トレンドになったシルクレインコートを復刻。デザインなどは現代版にアレンジした。米沢産地で調達した細番手、高密度織機で製作したシルク100%シャンブレーツイル素材を使用。経糸に生糸、緯糸に絹紡糸を採用した光沢感のある生地になっている。婦人用はドレープ感のあるAラインコート、紳士用ではタイロッケンコートをベースにしている。

 自社工場のサンヨーソーイング青森ファクトリー(青森県七戸町)で生産する。価格は婦人用24万2千円、紳士用26万4千円。ベージュとブラックの2色を展開する。

 47年当時のシルクレインコートは、戦時中のパラシュート生地から着想を得て、絹羽二重に植物油を塗って製作した生地を採用。銀座の老舗洋品店などに納品すると、瞬く間に売り切れたと言う。婦人用レインコートは女性の社会進出を後押しし、全国的に大ヒットした。当時の三陽商会が「レインコート製造販売」に転換するきっかけにもなった。