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帝人フロンティア 企業別注向けに重点

2024年01月29日 (月曜日)

 帝人フロンティアはユニフォーム用テキスタイル販売で市況が回復基調にある企業別注向けへの提案に重点を置く。スポーツ素材の知見を積極的に導入し、ユニフォーム用テキスタイルでも機能性を前面に打ち出した商品の販売を強化する。

 同社でユニフォーム用テキスタイル販売を担う衣料素材本部テキスタイル第二部の白石和男部長は2023年度(24年3月期)の商況に関して「原燃料価格などの上昇が続く中で価格改定を進めたが、どうしてもコストアップとの間でタイムラグが生じる。このため定番品を中心に採算が悪化している」としながら、「まだまだ一定の存在感がある市場。やりようはある」と話す。

 特にワークウエア用途、オフィス&サービスユニフォーム用途ともに企業別注向けは回復基調にあり、昨年10月以降が具体的な案件に動きが出てきた。このため今後の戦略として「高付加価値品によって“伸びる用途”に力を入れるのが基本。企業別注向けをしっかりと獲得できるように取り組む」と話す。同部はユニフォーム地のほか、スポーツ素材の国内販売も担うことを生かし、「スポーツの知見を導入した機能素材の開発・提案に力を入れる」ことも重点施策となる。

 ワークウエア用途では要望が高まるストレッチ素材としてポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」を活用したストレッチ生地の提案に力を入れる。オフィスユニフォーム用途は梳毛調ポリエステル長繊維織物「トリクシオン」などをラインアップする。

 サービスユニフォーム用途ではスポーツ分野で実績のある撥水(はっすい)機能糸「カラット」による特殊編み構造で汗染み防止機能を実現したポリエステル丸編み地「デュアルファイン」などを積極提案する。

 また、新規分野としてメディカル白衣用途の開拓にも取り組む。現在、提案の核となる商品の開発を進めている。メディカル向けを主力とするアパレルに対して、大手だけでなく中堅も含めて幅広く提案することで新規取引の開拓を目指す。