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「ポール・スチュアート」/8万8千円のPOスーツ/期間限定でZ世代に訴求

2024年01月23日 (火曜日)

 三陽商会はニューヨーク発のブランド「ポール・スチュアート」で、フレッシャーズ向けのパターンオーダー(PO)スーツを3月10日まで展開する。百貨店44店舗と直営1店舗の計45店舗で取り扱う。今春に卒入学式や入社式を控える1995年~2010年ごろに生まれたZ世代の男性を対象に、同ブランドのPOスーツとしては最安値の8万8千円で販売する。昨年に続き2回目の取り組みで、顧客の裾野を若年層にも広げる狙いがある。

 フレッシャーズにとって着用頻度の高い濃紺の生地1種に統一することで、買い求めやすい価格設定を実現。裏地やボタンなど付属パーツは好みに応じて選べる。スーツ生産に特化した自社工場、サンヨーソーイング福島ファクトリー(福島市)で縫製する。納期は4週間程度。

 リクルートワークス研究所(東京都千代田区)が実施した民間企業における「採用見通し調査」では、新型コロナウイルス禍の反動もあり2024年卒の新卒採用数は「2年連続で大幅に回復」「全ての業種で採用意欲が回復」としている。企業側の採用への積極性が高まっており、今後もその傾向が続くとみられる。

 こうした背景もあり、Z世代の新社会人にも良質なPOスーツを体感してもらい、同ブランドの新たなファン獲得につなげる。POは「良いものを長く使いたい」「自分向けにカスタマイズできるものに魅力を感じる」といったZ世代の価値観にも合致する。

 既存顧客からは「新しいステージに踏み出す息子に良いスーツを贈りたい」との声も多く寄せられると言う。こうしたニーズも取り込み、販売拡大を目指す。