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大和紡績・産業資材事業 フル生産へ流れできる

2024年01月23日 (火曜日)

 大和紡績の産業資材事業は下半期(2023年10~24年3月)に入ってから、想定より販売に勢いがないものの、フィルターなどで本生産に向けた試験案件が増えつつある。産業資材事業本部長の青柳良典取締役は少しずつ「フル生産に向けた流れができつつある」と話し、来期(25年3月期)から好スタートを切るための準備が整いつつある。

 上半期(23年4~9月)は、電子部品向けカートリッジフィルターが半導体メーカーの稼働率悪化などの影響を受け苦戦した。しかし、東海や東北地方を中心に自動車関連向けの受注が活発になり、パッキン材に使われるゴムや搬送用ベルトなどの販売が堅調。東京や大阪など都市部での再開発の動きから建設シートの販売も伸びるなど、事業本部全体では前年同期比で増収増益だった。

 下半期からフィルター販売が盛り返すと期待していたが、「想定していたよりも受注が増えていない」のが実情。ただ、上半期で「既に(販売の)底を打っている」として、徐々に巻き返しに向けた動きを活発にしている。

 播磨研究所(兵庫県播磨町)の協力で新型フィルターの試験販売に入るとともに、取引先から商品に対する試験案件も増える傾向にある。特に半導体分野はこれから大増産に入ってくるものとみられ、「今年の後半には良い感じになる」と、上向く見通しを示す。

 来期に向けては環境配慮型の素材開発や取り組みを一段と強化する。ドライヤーカンバスや土木資材のトンネルシートなどでリサイクル技術の確立に加え、回収の仕組み作りにも目を向ける。

 21年に合繊、産業資材、製品・テキスタイルの3事業本部の研究開発機能を播磨研究所に一本化し、横串による開発もできるようになった。「まだまだユーザーの求める開発スピードには達していない」として、より顧客のニーズに沿うとともに、スピードにも力を入れた新商品の開発に力を入れる。