繊維ニュース

伊藤忠商事 仏製の環境床材を展開

2024年01月18日 (木曜日)

 伊藤忠商事と、グループ企業でプラスチック製品、原料を販売するCIPSアドバンスは、建築資材メーカーのターケット(フランス)が製造する環境配慮型タイルカーペットを国内で展開する。インテリア製造卸のリリカラが販売、回収を担う。販売だけでなく、床材の循環リサイクル事業も進める。

 ターケットは、100カ国以上で販売実績があり、140年超の歴史を持つ世界的な建築資材メーカーで、環境配慮型製品の開発に積極的に取り組む。伊藤忠商事と日本向け販売で協業関係にある。

 国内で販売する環境配慮型タイルカーペット「デッソ」は、製品の設計段階からリサイクルを前提に開発。表面の繊維層と、基材のバッキング層を分離してそれぞれ再生できる。

 繊維には、アクアフィル(イタリア)が製造するリサイクルナイロン「エコニール」を使用する。アクアフィルへは伊藤忠商事が2022年3月に資本参画しており、エコニールの販売面での相乗効果も期待できる。

 ターケットは、アクアフィルと共同で繊維層とバッキング層を高精度で分離できるリサイクルセンターを設立しており、エコニールを再びエコニールにリサイクルする。分離したバッキング層も新たなバッキングの原材料になり、製造工場のあるオランダの水道会社の浄水過程で発生するチョーク(炭酸カルシウム)をリサイクル材として使用することで、再生材比率75%以上を達成している。国内でもリリカラが使用済みのデッソを回収してターケットの工場で再生する床材循環システムの構築を進める。

 リリカラは壁紙やカーテンが主力製品で、タイルカーペットはポリプロピレン製を一部扱う程度にとどまっていた。市場や社内でタイルカーペットや環境商材を求める声が高まっていたことなどから、今回の取り組みを決め、タイルカーペットの販売を強化する。

 リリカラが販売するデッソは、3シリーズ。パイルはリサイクル原着ナイロンのエコニールを主に使用し、バッキングはリサイクルチョーク入りポリオレフィンを採用する。床に落ちた粉じんを吸着し、一般的なカーペットに比べて粉じん量を4分の1に減らす空気清浄機能をうたったタイプも投入する。価格帯は1平方㍍当たり9800円、1万2500円、1万4800円。