繊維ニュース

バイオベンチャーが示す未来

2024年01月16日 (火曜日)

 豊島は15日、東京本社(千代田区)で第5回サステイナブルファッションセミナー「豊島 お客様とともに、ファッションの次世代を考えるセミナー」を開催した。

 ゴールドウイン、Spiber(スパイバー、山形県鶴岡市)、クレサヴァ(東京都港区)から代表者を招き、次世代の素材と循環システムの最前線を紹介しながら、ファッション産業の未来像について意見を交わした。

 スパイバーは、植物由来の人工タンパク質素材「ブリュード・プロテイン繊維」を開発し、量産化まで実現させ、国内外で注目を集める。ゴールドウインはブリュード・プロテイン繊維の開発に携わり、同素材を使用したアパレル製品を販売する。セミナー前半では、スパイバー・枡野恵也執行役とゴールドウイン・新井元常務執行役員開発本部長が、同素材の可能性などを語り合った。

 新井氏は「販売店では、ブリュード・プロテイン繊維を使った製品について、スタッフが来店客から質問攻めされることもある」と関心度を表現した。枡野氏は「衣類に期待される要素を満たしていくには困難さも伴い、価格ニーズに応える必要もある」と課題を挙げた。

 後半では、クレサヴァの園部晧志社長も討論会に加わった。同社は、回収された不要品の衣料から肥料を製造し、その肥料を使って野菜を栽培する循環システムの普及に取り組む。

 「衣」と「食」が結び付いた循環にまでテーマが広がり、環境配慮の取り組みの成長性を示した。