ごえんぼう

2024年01月16日 (火曜日)

 薬効のないものを飲んで効いた感じがすることをプラセボ効果という。一方、偽薬なのに副作用の症状が現れることがあり、ノセボ効果と呼ばれる▼サスペンスホラー映画の『NOCEBO/ノセボ』を観賞した。ファッションデザイナーと家事代行者の2人を軸に物語が進んでいく。舞台はアイルランドなのだが、終盤に家事代行者の出身地であるフィリピンの縫製工場が登場する▼フィクションであることを付け加えておくが、縫製工場の労働環境は劣悪に描かれ、工場に訪れたファッションデザイナーは生産性向上や価格抑制を求める。労働環境が快適で健全であっては成り立たたない脚本のため仕方がないが▼作品を通してファッション業界の過酷労働や低賃金に警鐘を鳴らしているという映画評もある。観衆は描かれた縫製工場を見てどう感じたか。ファッション業界への不信感を助長するノセボ効果にならなければいいが。