ごえんぼう

2024年01月12日 (金曜日)

 今週末は大学入試共通テストだが、能登半島地震を受け、石川県内の会場で受験予定だった人は追試験の対象になる。これまでの頑張りを発揮できるようにと願う▼「頑張り」は日本人に染み付いた言葉だろう。大災害のたびに「頑張ろう○○」のスローガンが沸き起こり、今回の震災でも散見される。だが近年、被災者や何かに悩む人を追い詰めると、使用を控える傾向に。頑張り=努力ではどうにもならないことは多い▼そうした当り前のことが見過ごされ、「頑張ればできる」という日本特有の努力万能主義に迫ったのが、大川清丈著『「頑張る」「頑張れ」はどこへいく 努力主義の明暗』。比較社会学の観点から英国、フランス、米国との違いを解き、日本の努力万能主義もバブル経済崩壊以降に大きく揺らぎ、AIの普及で努力の質は変わるとみる▼頑張り、努力は悪ではない。自身や他人を追い込まない頑張りが大切なのだろう。