三菱ケミカルグループ/インドネシアで傘下の繊維原料社の株譲渡へ

2024年01月10日 (水曜日)

 三菱ケミカルグループは2023年12月22日、インドネシアで繊維やペットボトルの主原料となる高純度テレフタル酸(PTA)の製造・販売を手掛ける、傘下の三菱ケミカル・インドネシア(MCCI)の株式を地場企業に譲渡することを決議したと発表した。

 MCCIには、三菱ケミカルグループ子会社の三菱ケミカルが99・9%、三菱ケミカル子会社の三菱ケミカル物流傘下のリンタス・ブアナ・カセイが0・1%を出資している。

 保有するMCCIの株式146万3千株のうち、8割に当たる117万400株を、リンタス・チトラ・プラタマに譲渡する。リンタス・チトラ・プラタマは今後設立される予定の会社。譲渡価格は開示していない。2024年3月28日の譲渡実行を予定する。

 残りの株式も段階的に売却し、MCCIは将来的にリンタス・チトラ・プラタマの100%子会社となる予定という。

 三菱ケミカルグループは声明で、インドネシアのPTA市場とMCCIの事業は安定的で堅調だと説明。一方、市場の成長性や競争力、サステイナビリティーにフォーカスしたポートフォリオ運営を推進する中、今後の事業の方向性を検討していたと説明。

 PTAの主原料でアルパラキシレンの事業化を予定するリンタス・チトラ・プラタマの関連会社からMCCIの事業譲渡の打診を受け、パラキシレンからPTAまでの垂直統合で事業を運営することで、持続的に発展し事業を成長させることが最善と考え、リンタス・チトラ・プラタマへの譲渡に合意したと説明した。[NNA]