繊維ニュース

年頭所感2024/旭化成/東洋紡/ユニチカ/セーレン/クラボウ/日清紡HD/シキボウ/日東紡/帝人フロンティア/蝶理

2024年01月09日 (火曜日)

〈変化の時代に心掛けること/旭化成 社長 工藤 幸四郎 氏〉

 昨年はさまざまなことが起こったが、2024年も引き続き予測不能なことが起こるという覚悟を持つ必要がある。そうした変化の時代において心掛けることは二つ。一つは生産性向上への取り組みの加速だ。生産性向上は、無形資産を最大活用した業務革新、成長戦略を軸としたポートフォリオ変革の掛け算によって実現される。もう一つは予測困難な変化への耐性とその対応力を磨くこと。変化に対応する柔軟性、回復力を磨き、社会の変化を機会と捉えられるような組織を目指す。

〈「稼ぐ力」取り戻す/東洋紡 社長 竹内 郁夫 氏〉

 新年から能登半島地震という大きな災害が発生した。また、羽田空港の飛行機衝突事故で乗客約400人全員が脱出できたことに、最悪の事態に備えた日ごろの訓練の重要性を実感した。当社としても致命的な事態を想定したリスクマネジメント活動を一層推進する。長期ビジョンで掲げる通り、持続的な成長を志向し、大規模な安全・防災・品質に関する基盤整備を推進してきた。当社を取り巻く環境は急激に変化している。好転を待つのではなく、「稼ぐ力」を自ら取り戻さなければならない。自分がなすべきことを主体的に考え、仲間と一緒に前向きに行動していこう。

〈グループ一丸で/ユニチカ 社長 上埜 修司 氏〉

 2024年を迎えたが、昨年のような業績が続くようでは「ユニチカグループの存続はない」。当社はグループ設立以来の危機的な状況にある。この難局を乗り越えるためには、一人一人が力を合わせ、グループ一丸となって対処するほかはない。それぞれが、やるべきことを徹底的にやっていただきたい。「当たり前の努力」を積み重ね、愚直にやり続けるしか業績を回復させる方法はない。ユニチカグループ全員の力を合わせれば大きな力となって、必ずや業績の回復につながると信じている。経営陣も先頭に立って取り組む。

〈未知への挑戦続ける/セーレン 会長 川田 達男 氏〉

 セーレングループは、国内外の環境変化に対応すべく、引き続き「未知の可能性への挑戦」を方針に掲げる。独自シーズを生かした新たな付加価値創出に挑戦するとともに、気候変動対策や人権課題への対応、環境対応商品の企画・開発などの取り組みを強化し、発展し続けるサステイナブルな企業を目指す。従業員一人一人が役割と責任を果たせる環境を整えることで「人材力」を高め、同時に「開発力」「環境対応力」など、企業力を高める経営の強化にも取り組む。

〈新たな挑戦の年に/クラボウ 社長 藤田 晴哉 氏〉

 本年は、環境の変化を敏感に捉え、その先の戦略を迅速・適切に見直しながら進んでいくためのPDCA(計画、実行、評価、改善)がより一層重要になる1年だと考えている。干支「甲辰(きのえ・たつ)」には、旧体制を破り新たに創造すべし、という意味がある。これまでの取り組みを、より一層創造性に満ちたものへと深化させるため、残すべきことはしっかり守り、時代の変化を捉えて思い切って変えるなど、自ら新たな挑戦をしていく1年にしてもらいたい。その先には必ず成長につながる次の新たな道が開けていくと確信している。

〈利益を念頭に/日清紡HD 社長 村上 雅洋 氏〉

 昨年にTMD社の事業譲渡と日立国際電気の連結子会社化を決めた。グループの事業ポートフォリオは大きく変わり、各事業会社への権限移譲も進んだ。しかし、経営効率アップや最適なコスト構造の実現には至っていない。個別事業の競争力強化も道半ばで、正しく設けることへの貪欲さも必要だ。利益を上げ、成長投資を実行し、働く仲間の処遇を改善する。さらには株主還元も果たすための原資をいかに生み出すか。常に利益を念頭に事業を運営し、変革していく必要がある。

〈成すべきことを着実に/シキボウ 社長 尻家 正博 氏〉

 景気回復が進んだ2023年であったが、原燃料等の高騰、高止まりや為替動向など、まだまだ不透明な状況から目が離せない。その中で中期経営計画の最終年度となる24年は、掲げている基本方針や事業戦略に沿った取り組みを推し進め、成長に向けてのギアを一段上げる。大切なことは「全員参加で取り組むこと」「成すべきことを成すこと」である。中計の名称である「ACTION」を止めず、着実に前進していく。

〈次の100年へ始動/日東紡 社長 辻 裕一 氏〉

 2024年は、次の100年に向けたスタートの年になる。築いてきた成長基盤を生かし、30年の「Big VISION」実現に向け大きな果実を狙う節目の時期と捉え、新しいメンバーで具体的な打ち手をスピーディーに進めてほしいという考えから、社長を退任し、4月から新体制に引き継ぐこととした。組織再編も実施するが、この組織再編は、次の100年も全てのステークホルダーから「日東紡でよかった」と言ってもらえる企業グループであり続けるための新たな一歩になる。

〈三つの取り組み軸に/帝人フロンティア 社長 平田 恭成 氏〉

 2024年の重点的な取り組みは三つになる。一つ目は第三の柱となる事業の育成だ。将来の第三の柱となる新たな高収益モデルを創出すべく、市場開拓や既存事業とのシナジー探索を進める。二つ目は、業界内での一層のポジションアップであり、積極的にパートナーづくりを検証し、必要であれば資源投入も検討する。三つ目は、働きがいに満ちた職場環境づくりである。働き方改革や人事評価などの見直しを引き続き進め生き生きと働ける職場づくりを目指していく。

〈変革の当事者に/蝶理 社長 先濵 一夫 氏〉

 能登半島地震に伴う災害に被災された皆さまと関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げる。現在進行中の全社業務変革プロジェクトの「CARAT」(カラット)は、私たち自身の力で私たちの蝶理を変えるもので、目指すのは全社最適、将来最適だ。この1年は必死で変わることを蝶理グループの皆さんに強くお願いする。今年は大阪本社が新しくなるが、単なる引っ越しではなく、新しい働き方を実現するオフィスをつくる。全員が変革の当事者として、魅力的な蝶理をつくっていこう。