川越政 過去最高売り上げ更新へ
2023年12月18日 (月曜日)
製品OEMも手掛ける生地商社、川越政(大阪市中央区)の2024年3月期上半期(23年4~9月)業績は、売上高が17億800万円(前年同期比8・0%増)で営業利益も伴って伸びた。下半期もここまで堅調に推移しており、23年3月期で計上した過去最高売り上げをさらに上回る見込みだ。
中国縫製が中心の製品OEMが円安や諸トラブルの発生により微減だったものの生地販売が伸びた。特に輸出の拡大が顕著。今期方針である「国際商流循環策の継続強化」が奏功した格好だ。
同方針に基づき今年は2月のイタリア「ミラノ・ウニカ」(MU)、7月のフランス「プルミエール・ヴィジョン(PV)・パリ」に初出展し、いずれでもさらなる輸出拡大への手応えを得た。来年は7月のPVパリへの出展を予定し、3月の中国「インターテキスタイル上海」への初出展も決めた。
輸出や第3国向けの拡大に向け、ベトナム・ホーチミン法人、英国・ロンドン支店で増員を図る。
MUやPVには「国内産地との連携強化」という方針にのっとり、尾州産地や播州織産地の企業と協業したブースを構えた。今上半期の生地販売拡大には、「円安傾向の中でインポートの生地を使っていたアパレルが国産生地に切り替える事例が増えている」(川越浩治社長)ことも追い風になった。この流れに乗るために今後も産地企業との連携を強めていく。
一方、国内生地生産スペースの縮小を受け、海外生地生産の拡充にも取り組む。中国、韓国、ベトナムなどで既に生地仕入れを開始しており、インド生地の調達もスタートした。製品OEMの縫製地は中国が95%、ベトナムが5%という構成だが、リスク分散の観点でベトナムの比率を高める。