「ポール・スチュアート」/丈の短いコート提案/24春夏紳士向け

2023年11月27日 (月曜日)

 三陽商会は「ポール・スチュアート」の24春夏紳士向けで、丈の短いコートや素材にこだわったスーツを提案する。冠婚葬祭向けの無地スーツも強化する。

 ブランドを象徴するクリフォードコート(タイロッケンコート)で、着丈が97センチのショートコート(11万円)を投入する。従来品に比べ丈が15センチほど短い。尻がちょうど隠れる着丈で、軽快な着こなしができる。高密度に織り上げた綿素材にチンツ加工を施し、光沢感を出している。

 スーツは素材をアップグレードして提案する。例えば艶感を出すためにシルクを使用したり、防シワなど機能性を備えた軽いポリエステルを用いる。冠婚葬祭や子供の受験面接向けの無地スーツは、需要増をにらんで数量を増やす。

 仕事着のカジュアル化に対応し、ジャケットのインナーとして合わせやすいTシャツも強化。紫外線(UV)対応や接触冷感、伸縮性、ウオッシャブルといった付加価値を付けバリエーションを広げる。

 センタークリース(折り目)が消えにくい特殊加工を施したスラックスパンツ(2万7500円)も打ち出す。加工時に表地の風合いを損ねないよう工夫した。雨に濡れてもクリースが消えにくく、梅雨時期にも最適だ。接触冷感やストレッチといった機能性も備える。

 24春夏向けについて、担当者は「ブランドの根幹であるエレガントさをどう表現するかに注力した」と話している。

 足元の9~10月の商況は気温が高かった影響を受け、ジャケットやパンツの売上高が前年同月比20%増、シャツやカットソー製品が30%増程度で推移したと言う。コートの動きは鈍かったが、11月に入って売れ行きが伸びている。