繊維ニュース

菅公学生服/制服にインクジェット活用/デザインの幅広げる

2023年11月22日 (水曜日)

 菅公学生服はインクジェットプリントを活用した制服の展開に乗り出す。デザイン性の幅を広げるとともに、水の使用量を従来の先染め生地と比べ約40分の1に抑えることができる。2025年の入学商戦に向けて採用を目指す。

 インクジェットプリントは協力工場を活用。インクジェットを使うことで環境配慮を訴求する。さらに先染め生地では4色の色糸を使うのが限界でデザインにも制約があるが、インクジェットプリントであれば多彩な柄の表現ができる。

 サンプルで、グレージュ色のニットブレザーとの組み合わせとして10色の色数を使ったチェック柄のスカートを開発。オレンジのカラーをメインとしたコーディネートで、ポジティブで元気、温かみのあるイメージを表現した。スラックスにはさりげなく柄の中にロゴを入れた。先染めでは表現が難しかった学校名を入れるなど、オリジナル性を高めることができる。

 癒しや調和、安心感をもたらすグリーンの色合いをベースにしたサンプルでは、グラデーションで表現したボーダー柄のスカートを開発。オリジナル性が出せるとともに、ベースの生地さえあれば小ロットでも対応でき、納期も先染め生地に比べ短い。

 同社は衣類回収サービス「ブリング」を運営するJEPLAN(ジェプラン、旧日本環境設計)と協働し、不要になった制服、体操服を学校で回収し、“服から服”へ循環させる取り組み「制服循環エコスクールプロジェクト」を始動するなど環境配慮型の商品開発、取り組みを強化。サイズをゆったりさせながらもフォーマル性を担保するとともに、ポリエステルのモノマテリアル化でリサイクルしやすくした制服を試作するなど、循環型経済につながる商品開発にも力を入れる。