繊維ニュース

実行力を取り戻す/帝人/内川社長

2023年11月22日 (水曜日)

 帝人の内川哲茂社長は、このほど大阪市内で開いたマスコミ懇親会で現在取り組んでいる課題3事業(複合成形材料、アラミド、ヘルスケア)に対する収益性改善策に関して「おおむね計画通りに推移している」とした上で「未来に向けた実行力を取り戻す」との考えを示した。

 内川社長は長期ビジョンで掲げる「未来の社会を支える会社」の実現に向けて「地球環境を守る」「支えを必要とする患者さんやその家族の課題を解決する」という具体的な目標に焦点を当てる中、企業としての実行力が低下していることを課題として挙げる。「社会における当社の存在意義への共感が従業員の間で十分ではなかった」ことが原因だと指摘する。

 背景にあるのが新型コロナウイルス禍による行動制限。「出張もできなくなり、対面でのコミュニケーションが不足していた」。このため現在、社内にプロジェクトを立ち上げ、国内外の従業員が意見交換する機会を作っている。「強い企業として成長するためにも、従業員全体の共感を深め、実行力を高めたい」と強調した。