繊維ニュース

インテリア分野開拓に再注力

2023年11月20日 (月曜日)

 検査機関がインテリア分野の開拓に改めて力を入れている。各機関ともに衣料品分野での試験・検査を軸としており、カーペットやカーテンなどを製造・販売する企業の需要を取り込むことで事業の拡大を図る。

環境対応に貢献するサービスの提供や独自試験の提案を強化する。

 「ライフサイクルアセスメント(LCA)算定サービスを広げたい」とするのがカケンテストセンター(カケン)だ。LCAは、製品やサービスの原材料採取から製造、輸送、使用、廃棄に至るライフサイクル全体における環境負荷を定量的に評価する方法で、「ISO14040」シリーズで国際規格化されている。

 今年4月にサービスを開始し、繊維関連以外の業種からの依頼も入るなど、注目度は高い。ただ、実際に取り組んでいる企業はまだ少なく、温室効果ガス排出量の可視化が可能なことなどを伝えて需要掘り起こしを図る。LCA実施支援ソフトウエア「MiLCA」(みるか)で実務研修にも応じる。

 関西事業所でカーペットなどの試験を行っているケケン試験認証センター(ケケン)は、「他の検査機関では実施できない試験・検査の提案」によって存在感を示す。また、カーペットだけでなく、塩ビタイルや人工芝、ウッドデッキなどの試験にも対応できることを訴求する。

 ケケンならではの試験では、椅子のキャスターに荷重をかけて移動した時にどれだけ寸法変化するかを調べるキャスターチェアによる寸法の変化率試験、繊維製床敷物のパイル面を人が歩行することで生じる人体帯電の程度を調べる歩行帯電試験などを展開。カーペットに特化した防汚性試験も用意している。

 15~17日に東京ビッグサイトで開催されたインテリア国際見本市「第42回ジャパンテックス(JT)2023」で紹介した。カケンはリアルでは2回目、ケケンは今回が初出展だった。ボーケン品質評価機構(ボーケン)も機能性事業本部として初めて同見本市に参加した。

 ボーケン機能性事業本部は、遮熱や防汚、抗菌、抗ウイルスなどの各種機能性試験を行っている。JTの初出展について「インテリア分野での認知度向上が目的」とし、環境対応に焦点を当てつつ、幅広いサービスを提供していることをアピールした。寝具関連で要望が増えているという「生地の持続冷感の試験も開発中」と話した。