繊維ニュース

菅公学生服とJEPLAN 「ブリング」で制服循環

2023年11月16日 (木曜日)

 菅公学生服と衣類回収サービス「ブリング」を運営するJEPLAN(ジェプラン、旧日本環境設計)は15日、「制服循環エコスクールプロジェクト」を始動すると発表した。

不要になった制服、体操服を学校で回収し、“服から服”へ循環させる取り組みで、2026年入学商戦から再生原料を使った商品の発売を計画。さらに同プロジェクトを通じて子供たちに循環型経済(サーキュラーエコノミー)への関心を高める機会提供にもつなげる。

 26年度までにJEPLANと連携しながら菅公学生服が制服、体操服を供給する中学校、高校を中心に、目標として500校に回収ボックスを設置する。学校によっては他社の制服、体操服を併売するケースがあるが、他社製品も問わずに回収する。直営店の「カンコーショップ」にもボックスの設置を予定する。

 回収ボックスを設置した学校に対しては、回収実績が目に見え、子供たちが活動を実感できる「回収品受け取り証明書」を発行。回収実績を数値で示し、活動実績も分かるようにすることで子供たちに循環への取り組みを意識付ける。衣料品循環のセミナーや講義も実施。回収した制服をどのように循環させるのか、子供たちが主体的に考える学びの機会も提供する。

 26年入学商戦からシャツや体操服に採用されている防透け性に優れる「ミエンヌ」シリーズで、再生ポリエステル原料「ブリングマテリアル」に置き換える。ポリエステル繊維の芯部に同素材を使用する。既に商品開発を進めているが、「今のところ品質面で全く問題はない」としている。ブリングマテリアルを使って何度でも循環する制服、体操服の開発に取り組む。

 菅公学生服の尾﨑茂社長は、「大きなミッションとして(子供たちに)循環型社会の大切さ、素晴らしさを、実体験を交えながら感じてもらう」と強調する。JEPLANの岩元美智彦取締役執行役員会長は学校で循環型の取り組みを「体験できるきっかけ作りになる」とともに、思い出が詰まった制服、体操服を循環させていくことを「文化にしていきたい」と話した。