篠原テキスタイル/海外販路開拓に力/他企業と連携し生地開発
2023年11月10日 (金曜日)
デニム製造の篠原テキスタイル(広島県福山市)は海外販路の開拓に力を入れる。先月、オランダ・アムステルダムで開かれたデニム関連の展示会「キングピン」に初出展した。柿渋染めデニムなど、日本独自の技術を取り入れた生地が好評だった一方、「課題も見つかった」と篠原由起社長。今後は産地内外の工場と協力するなど、国内産地の技術力を生かした生地開発で販売を広げる。
キングピンでは、デニム生地にエンブロイダリーレース刺しゅう機を使って、刺し子風刺しゅうを施した「刺し子刺しゅうデニム」や、柿渋染めデニムなど、2次加工を施した和テイストのデニムを中心にアピール。このほか、カシミヤ混のデニムなど、「他の国では作らないような、素材的に難易度の高いデニムをそろえた」。
ブースは会場の奥まった場所で、「不特定多数の来場者との話は少なかったが、当ブースを目指してくる来場者とはしっかりと話ができた」と言う。商談件数は約60件となった。
デニムに特化した海外展出展は同社初。「加工やむら糸使いなど、海外勢の技術力が高まっており、“日本製”でまともに戦えなくなってきた」との気付きも得た。篠原社長は「分業体制でしか成り立たないような技術力が国内産地の強み。企業同士のコラボレーションに可能性がある」として、今後は産地内外での連携による生地開発も引き続き進める。
来年以降も海外展への出展を継続。イタリアの服地見本市「ミラノ・ウニカ」に出展を予定するとともに、別の海外展への出展も視野に入れる。