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トンボ 時代ニーズ捉えた提案を

2023年11月10日 (金曜日)

 トンボは、性的少数者(LGBTQ)へ配慮する流れから全国的に制服のブレザー化が進むなど、学校制服の在り方が大きく変化する中、学校や生徒のニーズをとらえた制服やサービスの提案に力を入れている。大阪市内で10日まで開いている総合展では、ブレザー制服の歴史をひも解きながら、製品をアピールしている。

 展示会のテーマは「THE BLAZER」(ザ・ブレザー)。英国で誕生したブレザーの歴史を、日本でのブレザー制服の変遷も踏まえながら解説し、ブレザーの魅力を伝える。

 今春に制服のモデルチェンジ(MC)校数が過去最多となるなど、従来の詰め襟、セーラー服から、性差を感じさせないブレザーへのMCが全国的に増加傾向にある。そのような中、同社は「トンボバーシティメイト」ブランドで、学校や生徒の要望に合わせたデザイン提案を進めている。また、同社はイタリア・ミラノの服飾学校「イスティテュート・セコリ」と提携する。同校の監修による、着心地よく動きやすいパターンを取り入れた制服も強みとしてPRした。

 このほか、デザイナーの松倉久美さんとのコラボレーション制服や、昨年発表した、ファッションブランド「ミナ ペルホネン」とのコラボ制服など、制服のバリエーションの豊富さも発信した。

 スクールスポーツウエアでは、今春から展開する「アンダーアーマー」の体育着のほか、自社ブランド「ビクトリー」などを訴求。強みとする昇華転写プリントを生かしたマーチングバンドなど部活向けのウエアや、地元の女子バレーチームの公式ユニフォームとして供給するなど実績があるバレーボールウエアなども披露した。

 近年関心の高まる、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた取り組みも発信。循環リサイクルシステム「エコリボーン」として進める、ウールが含まれた使用済み制服を自動車の内装材へ再生する取り組みなどを紹介した。現在、同社の全製品における環境配慮型製品の比率は57%となる。これを2050年までに100%にまで引き上げる目標を立てるなど、サステイナブルな経営姿勢も打ち出した。

 総合展は15~17日に東京、29、30日に名古屋、12月5、6日に福岡で開く。