「インテキ深セン23」/ネット系やODM顧客狙う/2日目はにぎわう
2023年11月08日 (水曜日)
【深セン=岩下祐一】華南市場に焦点を当てた生地・副資材展「大湾区国際紡織面料及輔料博覧会(インターテキスタイル深セン アパレルファブリックス2023)」(インテキ深セン23)が6日、中国・広東省の深セン国際会展中心で開幕した。初日の来場者の出足は低調だったが2日目は盛り返している。日系出展者は、レディースを中心とした現地ネット通販ブランドや、そうしたブランドに製品を卸売りするODM企業の顧客開拓を狙う。会期は今日8日まで。
日系出展者は、スタイレム瀧定大阪、サンウェル、双日ファッション、宇仁繊維、豊島、クラボウ、桑村繊維、KIRARI、SHINDO、アイリス、アトリエミネエダの11社で、クラボウなどが初出展となる。
初日の来場者数が低水準にとどまったのは、厳しいアパレル市況が続く中、ブランド各社が生産を抑えていることが影響した可能性がある。別の生地展示会開催の影響や、会場が市中心部から離れた場所にあることが、客足に響いているとみる出展者もいた。
その中で豊島は、既存顧客などの集客で一定の成果を上げた。同社は新設した広州拠点を起点に、華南エリアの開拓を強めている。「広州のメンズブランド向けを中心に、バルクオーダーが少しずつ増えている」と、同社関係者は話す。今回展では、地場のネット通販ブランドの小ロット・短納期のニーズを意識し、イチメンなど日本の商社の備蓄品を前面に打ち出した。
深センには、レディース最大手の贏家時尚(エッカ・グループ)や、マルチブランドを運営する歌力思(グリス)など、大手レディース企業が本社を置く。こうしたブランドは、百貨店が販路の中心で、顧客の高齢化が進んでいる。ネット通販に比べ店舗運営費がかさむため高級な生地が使いづらいコスト構造のため、日系生地商社のメイン顧客ではなくなっている。
日系生地商社の近年の得意先は、地場のネット通販ブランドや、そうしたブランドをターゲットにするODM企業だ。双日ファッションは今年、こうした企業の小規模な顧客が増えている。
サンウェルはこの1、2年、中国開発品を武器に、大手百貨店ブランドの開拓に力を入れてきた。今回展を機に、深センのネット通販顧客の開拓も加速していく。