帝人フロンティア/圧倒的ナンバーワンへ/下半期は収益性を重視
2023年10月16日 (月曜日)
帝人フロンティアは、収益性を2023年度下半期(23年10月~24年3月)の重点ポイントに掲げる。先行きの不透明感が増す中、売り上げ面で苦戦した場合でも収益率は維持・拡大を図る。中長期視点では売り上げ規模の拡大も図る方針で、平田恭成社長は「当社のような形態の企業の中で圧倒的ナンバーワンを目指したい」と話す。
同社は前年度に約100億円の営業利益(帝人の繊維・製品セグメント)を達成するなど、利益を確実に伸ばしてきた。今年度上半期も自動車関連が苦戦しているものの、衣料繊維や生活雑貨、水処理フィルター向けポリエステル短繊維の販売が順調に推移し、利益率は前年を上回る水準にあるとしている。
帝人グループは23年度を収益性改善のための1年に位置付けており、帝人フロンティアとしても下半期以降も収益に徹底してこだわる。為替や原燃料価格の動向、消費者の購買意欲などで不透明感が強くなっているが、同社の機能や価値を認めてくれる顧客との取り組み強化で収益率を維持したい考えだ。
継続的な課題では、ウエアラブルやスマートセンシングなどの新事業の展開に力を入れ、早い段階での成果獲得を目指す。ポリエステルリサイクル事業についてもポリウレタン弾性繊維除去技術の開発などが進んでいることから、早期の商業ベース化を図りたいとしている。
来年度以降中長期的な観点では、「自家で生産設備を持って衣料繊維と産業資材の両方を展開し、商社的なビジネスも行っているのが帝人フロンティア。そのような形態を持つ企業の中で圧倒的なナンバーワンを目指したい」とし、素材調達や問題解決が必要な際に顧客から最初に選ばれる企業になりたいとした。
同時に規模の拡大にも取り組む。23年3月期に3千数百億円(帝人繊維・製品セグメント)だった売り上げ規模について、平田社長は、積み上げた数字ではなく、コミットした数字でもないとした上で「倍ぐらいにはしたいイメージ。少なくとも5千億円を超えれば同業他社とは違うステージに立てる」とした。